8月31日イラクの首都バグダッドでまたも大惨事が発生しました。今度はこの2年間頻発していた暴力襲撃ではなく、965人が死亡、465人が負傷した大事故です。これはイラク戦争発生以来、イラクで起こった死傷状況のもっとも大きな事故となりました。
当日大勢のイラクのイスラムシーア派群衆は礼拝のため、カディミヤイスラム教寺院に向かって出発しました。自爆テロのうわさによって人たちはパニック状態に陥りました。バグダッド北部にある橋で人たちは驚いて逃げ出し、橋から川に転落するなどで多数が死亡しました。
そもそもテロ襲撃が頻発しているイラクですが、なぜこんなに多くの死傷者が出た大惨事が発生したのでしょうか。
まず、民衆による宗教活動の秩序のなさが一つの要因だと見られています。イラク戦争前に、フセイン政権はシーア派の礼拝などの活動を禁止しました。フセイン政権が終わってから、シーア派は十分な宗教活動を行う自由を得ました。今度バグダッド以外の州から礼拝に参加するシーア派は百万人以上もいるそうです。こんな大勢が、もし突発的事件にぶつかったら、大惨事になる可能性は非常に高いです。しかも、この事故は狭い橋の上で発生したため、多くの死傷者数となりました。
イラク戦争が発生してから、イラク人はいつも戦争によるパニック状態の中で生活しています。本部がイギリスのロンドンにある「イラク死傷状況調査グループ」が今年7月発表したデータによりますと、2003年3月アメリカとイギリスが共同でイラク戦争を起こして以来、イラク国民の死亡者数は、24000人あまりにのぼり、毎日平均で約34人が死亡しているということです。相次いで発生する暴力事件によって、イラク国民は混乱状態にあるため、小さなうわさでも今度のような惨事が起こりやすいのです。この事故はイラク戦争と無関係のように見えますが、実際にはイラク戦争ととても深い関係があります。
今度の事故の教訓から、アメリカが起こしたイラク戦争はイラクで民主的な国作りをし、イラク人に素晴らしい生活を与えられなかったばかりか、イラク人の安全でさえ確保できないことが分かりました。
イラク戦争の後、イラクの各派の矛盾や衝突がますます激しくなっています。今度の事故が発生する前の数時間にカディミヤ寺院近くでは、3個の迫撃砲の襲撃を受け、7人が死亡しました。このことからイラク住民のテロ襲撃を恐れる気持ちも理解できます。
関係者は、「今度の事故はイラクの再建プロセスが必要であることを現した。イラクの各方面は共に努力し、イラクの再建を進め、できるだけ早くイラクの混乱状態を改善しなければならない。アメリカも早くイラクへの占領を停止し、イラク人に主権を移譲すべきだ。これこそがイラク人にいい生活と環境を与えられる」と指摘しました。
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