イラクでは、新しい憲法草案の賛否を問う国民投票が現地時間の15日午前7時から午後5時まで行われ、有権者およそ1550万人のうち、61%が投票したということです。
イラク暫定政権のタラバニ大統領とジャアファリ首相は、この日、政府所在地であるバグダッドで率先して賛成票を投じました。現地時間の午後5時の投票終了後、イラク最高独立選挙委員会の責任者は、「投票率は高く、特に南部のシーア派アラブ人と北部のクルド人が集まり住んでいる地域はそうであった」と明らかにしました。初歩的な統計によりますと、投票率は61%を上回り、そのうち、八つの州の投票率は66%を超えたということで、投票結果は、早くとも16日の夜、遅くとも18日に発表されます。
カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」の報道によりますと、イラク北部のクルディスタン地区の住民は投票地点に殺到し、特に締切時間が近づいた時に、投票のクライマックスを迎えたのです。南部のシーア派地区のモスクでは、スピーカーを使い、信者たちに投票を呼びかける一方、シーア派の指導者シスタニ師は、公民の義務を履行し、積極的に投票するようシーア派の有権者に呼びかけました。また、スンニ派住民が多く住む首都バグダッドと一部州の有権者も進んで投票地点に赴き、西部都市・ファルージャでは、多くの有権者が、投票開始を待って投票地点に殺到したそうです。しかし、同じくスンニ派住民が多く住むラマ-ディーでは、安全問題が懸念され、投票者が少なかったというです。
国民投票が行なわれた当日、20万人のイラク治安部隊と15万人のイラク駐在アメリカ部隊が出動し、投票妨害を狙うテロの警戒に当たりました。また、当日、イラク国境とバクダッド空港が閉鎖され、州と州の間の交通も中断され、民間車輌の使用が禁止されたので、数百万人のイラク人は、徒歩で投票所に赴いたとのことです。バグダッドでは、多くの店は営業を停止し、アメリカ軍とイラク警察の車が町中をパトロールし、アメリカ軍ヘリコプターが空中パトロールにあたりました。このような厳格な安全措置の下に、イラクでは、人々が懸念した大規模な襲撃事件は発生しなかったです。
憲法の制定は、イラク復興プロセスの重要な一歩であり、新しい憲法は、今後のイラク政治と民主の基礎でもあります。イラク臨時憲法によりますと、過半数の有権者が賛成票を投じた場合、草案が採択されることになります。これに対し、全国18の県のうち3県以上で反対票が3分の2に達すれば草案は否決されるのです。
専門家は、今回投票では、新憲法草案が採択される可能性が高いと見ており、その理由として、まずは、スンニ派が多く住んでいる地域にもその他の宗派と民族がいるので、反対票は3分の2にも達しないこと、また、スンニ派内部では、意見の食い違いがあり、スンニ派の最大政党は11日、シーア派やクルド人党派と憲法について協議し、新しい憲法を支持するとの立場を表明したことを上げています。更に、スンニ派の多くの人々は、不安定な生活にあるため、新憲法が安全と安定をもたらすことを望んでいるということです。
イラクの新しい憲法草案の賛否を問う国民投票の結果がどうなるのかは、世界的に注目されていることなのです。
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