中国の著名な科学者・楊振寧教授はこのほど、記者のインタビューを受けた際、「私は運に恵まれている。この目で中国が幸福の道に踏み込んだことを見ることができた」と話しました。
楊振寧教授は1940年代の半ば、西南連合大学を卒業した後、アメリカへ留学、1957年、ノーベル物理学賞を授与されました。1971年に、米国籍の中国人学者として中国を訪問し、中米文化の交流に積極的な役割を果たしました。2004年9月、楊振寧教授は北京の清華園に居を定め、中国の高等教育と科学研究のために力を尽くしています。
楊振寧教授は「30年前、故鄧小平氏の提案によって、中国は大学の入学試験を再開した。これは中国の改革開放のしるしとなる。それから、中国では、知識を活かし、人材を尊重し、教育を重視する社会が形成されるとともに、公平公正を基準とする価値観を作り上げ、教育、特に高等教育は急速に発展してきた」と語りました。
楊振寧教授はまた、「改革開放以来、中国政府は努力の末に、社会の活力を取り戻した。事実が証明しているように、改革の多くは成功を収めた。たとえば、高等教育は世界最大の規模で、すでに大衆化の段階に入り、9年間の義務教育が実現している。これらは偉大な成果だ。出来るだけ速く貧困から抜け出し、知識を普及するためには、現行の教育システムは効果的なものだ。西側のものが中国のものより素晴らしいという考え方は客観的なものではなく、理性的な態度でもない。中国社会の今日の変化は世界が認めている。そのうち、大学教育の役割を無視してはならない。新中国の教師たちによって育てられた大学生がいなければ、この30年来の改革と発展はなく、今日の繁栄もないだろう。当然ながら、中国の教育制度は完全なものではなく、改革の必要がある。たとえば、才能ある学生に自由に活動する機会を与えるべきだ。そうすることで、さまざまな分野で優れた人材を育成することが出来るだろう」と話しました。
楊振寧教授は中国の未来に対する楽観的な見方を示し、「21世紀の後半、中国は世界における強大国の一つになるだろう」と述べました。こうした楽観的な態度は自力更生という中華民族の精神と、この30年間の改革開放で収めた成果によるものです。
楊振寧教授はまた、「私は中国に生まれ、小学、中学、大学、修士の教育を受けた。現在、中国に戻って定住した。両親は中国人であり、私の心は永遠に中国に属する。長い年月の中国の巨大な変化をこの目で見ることが出来た。中国が達成した成果は歴史的にも見られないものである」と語りました。(翻訳:トウエンカ)
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