老峪溝中心小学校は北京市昌平区の中心部から50キロ離れた山間地帯にあります。ここを経由するバスは1日1本だけ。学校の周辺5平方キロのメートル内に、床屋さんすら見当たりません。ここの住民はトウモロコシを栽培し、政府の補助金に頼って生活を維持しています。年間収入はわずか2.3千元です。
老峪溝中心小学校には、学年ごとにただ一つクラスがあるだけ。全校生徒数は合わせて約50人です。今年53歳の陳根生校長は1976年からここで教鞭をとっており、1989年からは校長も務めてきました。陳校長の話によると、この小さいな学校にはあわせて22人の教師がおり、周辺5つの村の子供がすべて通っています。
校舎は2003年に修繕されたもので、平屋建てが3棟並んでいます。教室や音楽室、コンピューター室、教師の宿舎兼事務室など、教育施設は整っています。しかし、生徒の数が年々少なくなっているのが現実です。村の若者はほとんど出稼ぎに行ってしまい、残っているのはお年寄りだけです。これについて、陳校長は「数年後、この学校はふもとにあるほかの学校と合併する可能性があります。これを悔しいとは思わず、むしろそれを望んでいます。より大きな学校に通えば、子供たちはよりよい教育を受けることができるようになるからです」と話してくれました。
若い教師はほとんどが流動的で、赴任後1、2年経てば去って行き、また新しい教師がやってきます。「われわれの学校は訓練基地みたいなものです。昌平区にある小学校の教師はほとんどここの出身です。若い教師はここで生活したがりません。結婚相手を探すのも困難ですからね。ここで仕事をするには、寂しさと苦しみに耐えられなくてはなりません」と陳校長は話しました。(董)
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