北京五輪の開会式でテーマソングを歌った劉歓さん(45歳)は、中国では20数年前から人気を持ち続けてきた国民的なポップスシンガーです。しかし、劉歓さんは大学教授というもう一つの顔を持っていることを皆さんはご存知ではないでしょう。
天津のある教師の家庭に生まれた劉歓さんは、北京にある国際関係学院でフランス文学を専攻しました。在学中の1985年に、英語とフランス語の歌のコンクールでそれぞれ優勝し、音楽の道を歩みだすことになったのです。
卒業後、対外経済貿易大学の教師になった彼は、芸術を普及することを自らの使命に決め、大学で教えながら毎年のようにヒット曲を出しています。「心の中の太陽」(心中的太陽)、「三日月」(弯弯的月亮)、「アジアの雄大な風」(亜洲的雄風)、「花が落ちてまた咲いて」(花落花開)など名曲の数々が、中国ではロングヒットしています。
長年の教職と歌手の積み重ねにより、いまの劉歓さんは、その執念と影響力で尊敬される芸術家になっています。五輪開会式という
世界から注目される晴れ舞台で劉歓さんがテーマ曲を歌う重任を与えられたのは、歌唱力と人間力の両方が素晴らしいからなのではないでしょうか。
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