北京に住む史永楽さんは今年43歳です。これまでの6年間、北京五輪応援のため、自分の乗用車で相乗りを提供してきました。その数は、なんと1万3000人に達しています。
オリンピックの北京開催が決まったのは、2001年7月13日でした。招致の成功に大変感激した史さんはその時から、五輪のために何かしたいと思っていたそうです。
翌年、軍隊から退役した史さんは、自分の車で同じ方向へ行く人に相乗りを提供することを思いつきました。そこで、郊外に住む彼は朝出勤するときに、必ず近くのバス停まで行って、同じ方向へ行く人がいないかと聞いて、相乗りできる人を探すようにしました。
最初は警戒の目で敬遠されていましたが、国民的な英雄「雷鋒」の写真を車に貼ったり、「相乗りどうぞ」と車に書いたりするなど工夫しているうちに、2002年の末から徐々に乗る人が増えてきました。その後、史さんはさらに五輪マークやスローガンなどを貼って、乗る人に五輪の宣伝資料を配るなどをしました。これまで、相乗りした1万3000人に7000冊の宣伝資料を配りました。また、乗った人が感謝の言葉を書いたノートは、これまでに11冊になりました。
その間に、冷やかされたことや誤解されたこともありましたが、人々から受けた暖かい言葉を見れば、苦労は直ちに消えてしまいます。自分の車で愛と友情を伝えたい、これはオリンピック・スピリッツに一致していると史さんが言います。
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