馬志英さん(40歳)は、内陸の寧夏ホイ族自治区海原県海城鎮の住民で、ホイ族です。1997年からいままで、合計95人の少女を自宅に迎え、生活と教育の両面からサポートしてきました。いまは、その中の52人が大学に進学し、3人は既に大学を卒業しています。
内陸の寧夏ホイ族自治区にはまだ貧困な地域が多く、また、女の子は学校に行かせないという差別も深刻です。馬さん自身も大学入試の数ヶ月前にやむを得ず退学していました。馬さんにとって、大学に行けなかったことが、一生の悔いとなりました。
馬さんは4人家族です。夫は公務員で、少し余裕のある暮らしをしていました。1997年、清掃の仕事をしていた馬さんはある日、学校の入り口で、中を覗いている少女に会いました。聞くと、学費を払えないため、学校に行けないというのです。泣き崩れる少女を見て、過去の自分が目に浮かびました。それがきっかけでした。その年に、この少女のほかに、親元を離れて学校に通ってはいるものの、粗末なアパートに住んでいた少女7人を家に迎えました。
少女たちから家賃、食費、生活費を求めないばかりか、学費を払えない少女の代わりにお金を出してあげることもしばしばありました。このことがだんだん知られるようになって、学校に行きたい少女たちがこの家を頼ってくるようになりました。生活がだんだん苦しくなってきたにも関わらず、馬さん夫婦は、助けを求めてやって来る少女を一人も断ったことがありませんでした。
この10年で、合計95人がこの家に入りました。病弱で生活も楽ではなかったにもかかわらず、頑張り続けた馬さんは、人々から尊敬されるようになり、二回目の「中国の10人の偉大な母」に選ばれました。さらに国際イスラム機構が、馬さんの家に100人を収容できるアパートを建てることを決めました。このほか、アメリカ、イギリスなどから応援の声も届いています。(「寧夏日報」より 編集・翻訳:閣)
|