しかし、ホームステイでは対象的に全く日本語が通じなかったのです。私の滞在先の基茉含という女の子は、まだ日本語を習ったばかりらしく、少しの単語なら分かるものの、会話をするのはとても難しかったです。
私はハンドブックで覚えたばかりの中国語や、身振り手振り、筆談、絵などのあらゆる伝達手段を使って彼女と意思の疎通を図りました。最初はどうなることかと思って心配していましたが、自分の伝えたいことを相手に分かってもらえるよう一生懸命努力することで、言葉は通じなくても気持ちを伝えることができました。
このような経験は生まれて初めてでしたが、言葉がほとんど通じない相手と意思疎通ができた瞬間、この言語を介さないコミュニケーションが今までにないような不思議な感覚で、新鮮な楽しさを感じました。
この二人との出会いから私が思ったことは、異文化を理解する時には、まず、相手のことを理解し、伝えようとする姿勢、分かってもらえるように努力する姿勢が大事ということです。しかしそれだけではなく、相手の国の言葉や文化を知っていれば案内してくれた男の子のように、国籍が違っても対等に話ができ、より交流を深めることができるのです。私はもっと中国語や中国のことについて勉強してから、ぜひもう一度訪れてみたいと思います。
短期間ではあったんですが、私にとってこの体験は人生の糧となる大きなものになりました。この経験を生かして、将来、日中友好の一翼を担えたらと思います。(終わり)
「人民中国」より
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