【メモ】
『街角の天使』は1930年代の上海の市井の生活を描いている。東北から上海に逃れてきた小雲と小紅の姉妹は生活が困難なため、小雲は娼婦となることを余儀なくされ、小紅は胡弓弾きについて歌を歌って喜捨を請う。姉妹は隣に住む新聞売りの老王と楽師の小陳と朝夕ともに過ごすうちに、同情からいつしか愛情が芽生える。しかし厳しい現実の中で、彼らの愛情は順風満帆にはいかない……というストーリー。 映画は自由を探求する方法
質問:だから、観衆の多くが「第六世代」の作品はわかりづらいと言っているのですね。
賈:現在の観衆は「第六世代」の作品だけでなく、張芸謀の『HERO(英雄)』のような作品さえもわからないと言っています。あのような商業映画のどこがわからないのでしょうか。実際、伝統的な中国映画は多くの教訓を背負っていたため、中国の観衆は映画を見るとき、そこから教訓を得ることに慣れてきました。教訓がなければ、「わからない」と思うのです。
映画というのは人の心を打つものです。ストーリーに限らず、ある一つのシーン、ある一つのディテール、なんでもいいのです。
以前、溝口健二の映画を見たとき、私は日本語はまったくわかりませんし、中国語の吹き替えも間違えだらけでした。それでもあれは偉大な映画だと思いました。わからなかったのにです。
映画は物語を叙述するだけでなく、映像によって雰囲気を作り出します。映画とは、見ているうちに眠ってしまっても、突然目が覚めたそのとき、スクリーンにしゃがんでご飯を食べている人の姿が映っているのを見て、ふるさとの父親を連想させ、私を感動させるものなのかもしれません。これも楽しみのひとつでしょう。
「人民中国」より
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