中国には「外国人専門家」という制度があります。これは、専門知識を持った外国人を招いて、そのノウハウを提供してもらうことで、それぞれの業種の発展を促そうという制度です。しかし、特に改革開放が進むにつれて、外国人専門家はもちろんですが、各方面で外国人の人材の需要が急速に高まっています。それにともない、中国で働く外国人はここ数年で急増しているのです。
国家外国専家局の統計によりますと、1970年代末には、外国人の採用は毎年500~600人に過ぎませんでしたが、90年代になって毎年6万人以上にまで増加しました。WTO・世界貿易機関加盟後には、毎年22万人に急増し、採用される外国人の国籍も、当初の十数カ国から現在は80カ国以上にまで増えています。その他、香港・マカオ・台湾からの人材を含めれば、中国大陸以外からの人材は延べ45万人に達しています。そのうち、サービス業に従事している人が約20万人おり、大陸以外の人材が働く業種としては、最多となっています。
さて、その中で、中国政府が特に外国から招いた「外国人専門家」も現在は約20万人いて、今、中国の各分野で活躍しています。中でも、中国の基本国策の一つである「社会主義現代化建設」に特に貢献した外国人専門家を表彰するため、中国政府は「中華人民共和国友誼賞」を設けています。去年は19カ国の専門家が受賞しました。そのうち日本からは、石炭資源専門家、安藤勝良さんが受賞しました。安藤氏は石炭資源の効率的利用や企業の経営、環境面での技術向上などに大きく貢献したとして、この賞を受けたものです。1991年からの受賞者は、あわせて56カ国・899人にのぼっています。(04/26)
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