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住宅
   2007-04-12 13:15:23    cri

 人口が密集している北京の中心部で、いわゆる"一戸建て"の住宅は、昔ながらの平屋を除いて、ほとんどありません。一般市民の住まいはほとんどがマンションです。かつて、北京の代表的な民家は中央の庭を囲むように四方に家屋を配する建築様式「四合院」でした。しかし、経済発展に伴う都市開発によって、四合院は取り壊されることが多くなり、昔ながらの街並みは消えつつあります。四合院に住んでいた市民は政府から「立ち退き」の補助金をもらい、新築マンションや中古マンションに引越すことが多いようです。

 中国は「社会主義」の国であるため、以前、政府部門の職員は国から無料でアパートの『分配』を受け、生活していました。しかし、特に都市部の人口の急増により、住宅の供給が追いつかなくなり、現在、この政策は適用されることがほとんどなくなりました。それとともに、マンションも「与えられるもの」ではなく「購入するもの」となって、中国に不動産市場が出現したのです。すでに部屋をもらい受けていた職員は、格安でその部屋の払い下げを受けるなどの措置がとられました。その大きな「住宅改革」が1990年代ごろのことです。以降、住宅の無償分配は、ほとんどなくなり、市民はローンを組むなどして、住宅を購入するようになりました。その結果、今の中国の大都市では、不動産ブームが起き、住宅価格の高騰などの問題が生まれてきています。

   

 ちなみに、ここでの『購入』という意味合いは、日本とは少し異なります。中国では、土地はあくまでも個人のものではなく、個人はその土地の"一定期間の使用権"を買うということになります。

 さて、ここ数年間、新たな問題が生まれています。改革以前に住宅の分配を受けた人たちの子供が成人して結婚する時期がやってきたのです。当時分配を受けた住宅は決して広さが十分ではなく、結婚してから同居するのは難しい状況です。しかも、中国では男性がお嫁さんをもらう条件として「家を持っていること」が第一条件となっているのです。かくして、夫婦二人の住宅が必要となるのですが、まだ二十歳そこそこの彼らは、就職してわずか数年間。貯金も少なく、住宅を手に入れるのも困難です。そこで、その多くは、両親から頭金分を借りて、残りをローンにして、マンションの部屋を手に入れることが多いようです。両親も将来的には息子夫婦と住むことを前提とすることが多く、多少無理してでも、"援助"するとか。

 しかし、今や北京のみならず、中国全土で不動産ブームの真っ最中。北京の不動産価格は年々、上がっていく一方です。結婚したくても、マンションをなかなか買えない・・だから結婚できない、なんて悲劇も決して笑い事ではありません。

 どのようにすれば、不動産価格の急増を抑えるか、また低所得層が住宅環境を改善できるかが、現在の中国政府の課題となっています。

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