WHO・世界保健機関の定義によりますと、「高齢」とは65歳以上をさします。「高齢化社会」とは、人口に占める高齢者の割合が7%ー14%未満の社会のことです。14%をこえると「高齢社会」と変わり、さらに21%をこえると「超高齢社会」とよばれることになります。
日本の高齢者人口は2005年時点で20%を突破し、世界で最も高齢化が進んでいる国のひとつとなっています。またイタリアやギリシャ、スウェーデンなどが日本と同じ水準で高齢化が進んでいます。
1970年代末から中国では一人っ子政策が始まりました。この一人っ子政策は、当然、出生率の低下を招きます。出生率とは一組の夫婦が何人子どもを産むかというものから、当然1.0に限りなく近づくわけです。出生率は「2.07」を割り込むと人口が減少に転じ、高齢化が急速に進むとされていますが、中国は1990年代はじめにこの「2.07」を割り込み、その後、着実に1.0に近づいていっています。若年人口が減っていく傾向です。
一人っ子政策の第一世代は、現在20代後半から30代前半くらいで、今が家庭を持ち始める時期。最近の新政策によると、仮に夫婦が、ともに一人っ子の場合は子供を2人産んでもいいということになっています。しかし、政策が緩和されても、最近の若者は二人以上を望まない人が多く、"一人っ子夫婦"の子どももやはり一人っ子ということが多いようです。
その最大の理由は、彼ら二人の夫婦が四人の親と、一人の子を養わなければならないという経済的問題です。ひとつの家庭の中ではもちろん、国全体としてそういう構造になっています。この現象は親が四人、夫婦二人、子ども一人ということから「四二一」と呼ばれています。こういう状況が続けば、中国の高齢化がますます進んでいくと懸念されています。
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