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新聞記者の環境保護への取り組み
   2007-04-24 11:01:05    cri
 黄成徳さんは中国西部、貴州省の新聞社、貴陽日報に勤めるカメラマンです。この10年間、黄さんは中国西部でさまざまな取材をしてきました。そして、このほど、黄さんは中国西部の「環境保護」にテーマを絞って、取材を始めたのです。

 今年53歳の黄さんですが、見た目には30,40代といってもいいほど、若くみえます。すらっとした体型で、髪は真っ黒で短く刈り上げ、非常に誠実な感じに見える男性です。

 貴陽日報に25年間勤めている黄さんは、すでにベテランカメラマンの一人です。そんな黄さんがライフワークとして取り組んでいる取材、それが環境問題です。1990年代、中国西部の一部地域で、急激な経済発展とともに、環境問題が表れました。その状況を詳しく調べ、社会全体に注目してもらおうと、黄さんは現地調査を始めました。黄さんの話です。

 「環境問題は西部の経済が健全に発展するかどうか、という大きな問題です。私は一人の記者として、社会責任を持っていると考えています。テーマは"地球のため"です。メディアという手段を通じて、環境保護に尽力したい、それが私の思いです。」

 1997年、黄さんはカメラとわずかな着替えを持って、バイクに乗って、初めての「西部の旅」を始めました。

 中国の西部地区の人口は全国の3分の1を占めており、面積は国土面積の70%です。しかし、自然条件と歴史的な要因で、経済は東側より立ち遅れています。

 黄さんにとって、西部地区で目にする景色の何もかもが、心に強い印象を与えました。緑一杯だったはずの森林が木の切り株しか残っていない。川が干上がってしまっている。砂漠が広がっていて、牧畜民の住む地域を丸呑みにしてしまった。などなど、悲しい景色が次々に目に入ってきたのです。

 黄さんはペンとカメラで見たこと、聞いたことを記録していきました。生活環境が極端に悪いため、人々は環境保護にまで意識が回りません。黄さんはこのことを思い出すたびに、胸が痛くなるといいます。黄さんの話を聞きましょう。

 「環境保護とはどういうことか、それ自体、分からない人もいました。環境汚染が厳しいといっても、地方政府にとっては理解できなかったのです。一生懸命に経済を発展させてきたのに、なぜこんなに非難してされるのか、庶民も理解できません。生活さえ満足にいかないわけだから、伐採するしかない、というわけです。とにかく、環境保護について、訴えて歩くことは非常に難しい作業で、少しずつ、噛み砕いて説明しないと理解してくれないのです。」

 その後、黄さんは5回にわたって、一人で西部地区取材を行ないました。これまで、黄さんの旅は中国西部の陝西省、甘粛省、新疆ウィグル自治区など12地区、距離にして20万キロに及びます。

 取材を終えたら、黄さんは西部地区の環境保護を呼びかける記事を書き、貴陽日報を始め、各紙に掲載します。この5年間だけで、黄さんは新聞社や雑誌30社あまりで、20万字あまりの記事、そして写真300点を発表しました。黄さんの活躍の場は活字の世界だけではありません。ラジオやテレビの環境保護に関する番組にも出演しました。そこで、黄さんは写真機に加えて、ビデオカメラやパソコンも載せて旅に出るようになりました。

 黄さんの取材活動は各地で大きな反響を得ました。それにより、多くの人々が中国西部の生態環境を知ることができたのです。2000年に中国政府が開催した環境保護フォーラムで、黄さんが撮影した写真は12地区から集まった政府担当者の関心を呼びました。その2年後、国務院が開いたフォーラムでは、黄さんがパネラーとして、状況報告をしました。西部地区の現状を実例によって説明し、改善の必要性を訴えました。黄さんの主張は政府と専門家の注目を集めたのです。

 黄さんの努力は大きく実を結びつつあります。中国各地の一般市民の環境保護意識が高まりつつあります。また政府の環境保護への予算投入も増えています。10年前と比べて西部の環境問題は大きく改善されたといえます。

 「だいぶよくなりましたね。大規模な伐採は、非常に稀になったといえます。政府も森林保護に対して、非常に積極的に取り組んでくれています。」

 ふるさとの貴陽市でも、黄さんたちは環境保護の運動を推し進めています。汚染で悪臭を発していた南綿河は、水質が大方改善されて、両岸は緑いっぱいとなっています。黄さんの上司でもある貴陽日報・孫鳳キ編集長の話を聞きましょう。

 「彼は個性のある人です。いくつになっても、新しいことに取り組む意欲にあふれる人です。いまや彼の文章は社会各界から、大きな注目を集め、支持を得ています。彼の記事と写真は、今後の環境保護活動にとって貴重な資料になるでしょう。これこそが記者としての社会的責任だと思います。」

 黄さんは、幸せな家庭を持っています。奥さんの王静さんは新疆で取材をしていたとき、知り合いました。2歳の息子さんがいます。

 奥さんの王さんは夫の仕事をとても理解しています。黄さんと結婚するとき、王さんは、新疆でやっていた収入のいい仕事をやめました。そして、息子を出産してから、王さんは家族のために、そして夫が安心して仕事をするために頑張っています。王さんの話を聞きましょう。

 「家族、子供そして自分のことをうまくやりくりして、忙しい夫に負担をかけないようにしています。このことが夫への一番大きなサポートになるのでは、と考えています」

 先日、黄さんはまた西部地区の取材旅行を始めました。今回、黄さんは民間の環境保護組織と協力して、10年前に歩いたのと同じ道のりを取材していくことになりました。10年前と比べて、何が改善され、何が放置されているのかという取材です。また、同時に各地の状況を調査し、データを収集して、政府の環境保護部門に対し、資料を提供することも今回の大切な仕事です。

 黄さんのメディアを通じた環境保護への取り組みは、これからもまだまだ続きます。

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