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新しくなった秀水街市場
   2007-03-20 11:30:25    cri

  

 北京市の中心部、「長安街」の東側に、衣料品専門の市場、「秀水街」があります。ここで販売されているシルクの洋服などは海外の観光客の人気を集めています。しかし、昔ここでは、ブランド品の偽物が販売されたことがあり、大きな問題となりました。当局とお店側の努力により、この状況も改善されています。

 「秀水街」は、元々、長さ300mほどの路地に、小さな店が所狭しとひしめく衣料品の青空市場でした。この辺りは、外国の機関が集中しており、付近に住む外国人や観光客がこの市場を訪れ、比較的安価な衣料品を買い求めていきました。ところが、お店はお客さんがブランド品を好むということに乗じて、偽のブランド服やアクセサリーの販売を始めました。当然、これらの偽ブランドは、本物よりも値段が安いため、多くの外国人もそれを求めてやってきます。ある時期、「秀水街」は偽ブランドの温床のようなイメージがついて、大きな問題となっていたのです。

 ニセモノを取り締まって、消費者の権益を守るため、市場の管理部門はお店の商品に対する管理を厳しくしました。それにより、経営者は、徐々に偽ブランドの販売が知的所有権を犯す違法行為だという認識が形成されてきました。さらに、イメージを一新するため、青空市場の秀水街を閉鎖し、7階建ての真新しいビルを建て、そこに1000あまりのお店を移したのです。華世俊さんは長年、秀水街にお店を出しています。実は華さんは、偽ブランドの販売を行なったことがあります。

 「昔、私は主に偽ブランド商品を販売していました。でも、今は考え方を変えて営業をしていますよ。もうニセモノはやりません。でもやってくる外国人のお客さんは、やっぱり前のイメージがあるみたいでねー。ニセモノを探しにやってくるのです。でも、我々は彼らのイメージを変えていかないとだめだと思っています。それが今後の業界の発展のためでもありますしね。」

 華さんのお店は150平米あります。洋服、帽子、靴、アクセサリーなど何でもそろっています。流行りの洋服を店の前に置いて、お客さんの目を引き付けます。

 華さんのお店だけではなく、以前、偽ブランドを販売していたお店は全て商品を一新しました。昔、よく目にしたルイ・ヴィトン、グッチ、シャネルなどの偽ブランドの洋服はすっかり姿を消しました。洋服やアクセサリーに加えて、今の秀水街には宝石や中国の伝統手工芸品などを販売するお店もあります。

 カナダから来た観光客マイケルさんは、20日間の北京滞在中、2回、秀水街市場に足を運びました。

 「ここで買い物するのは本当に面白いねえ。お店の人も英語が分かるし、親切だし、あと品質もなかなかだよ。妻と一緒に、財布やジャケット、セーターを買いました。おかげで、スーツケースはもういっぱいだよ。だから、ここで大き目のスーツケースも買って、持って帰ろうと思うのだ。」

 秀水街には、また中国でも随一の老舗があります。シルクの専門店「瑞(虫夫)祥」もその一つです。周国平総経理の話を聞きましょう。

 「商品は全て、本店から持ってきたものです。全て、シルクの本場である蘇州や杭州などから運んできたものです。品質には、色合いや手触りなどに厳しい水準を求めています。我々は検査報告を厳しく行なって、消費者に対して責任ある販売をしています。」

 このお店のシルク生地は品質が非常に優れていると評判で、外国人のお客さんは、好んでここで生地を買い求め、それをチャイナ服に仕立てます。でも外国人観光客は北京滞在の時間も限られています。老舗の「瑞(虫夫)祥」は、そんなお客さんのために、あるサービスを始めました。

 「我々は独自のシステムを備えた『裁縫店』を立ち上げました。ここでは、お客さんが、いつ仕立てをオーダーしても、24時間以内にぴったりの服をお届けできるようになっています。そのために店は配達用の車両を何台も用意しました。仕立てがあがったら、すぐにお客さんのホテルまで配達します。この手軽さと便利さが受けて、うちも繁盛させてもらっています。」

 秀水街はテナントの店舗を支援するため、3000万元を拠出して「知的所有権保護」の基金に当てています。これは、経営者たちに中国独特の伝統産品を販売するよう奨励するものです。「秀水街」の総責任者、汪自力さんの話です。

 「我々は『文化の秀水、流行の秀水、品質の秀水』をキャッチフレーズに新しい秀水街の建設に励んでいます。特に知的所有権保護には力を入れ、正規ブランドの正しい販売を推し進めています。各店舗のそれに向けての取り組みに対して、テナント料の減免や一部返還などの措置も取っています。」

 今のところ、大部分の商店は、正式の販売許可をきちんと受けて営業を行なっています。小さな青空市場から始まった秀水街には、今、大きな変化が起きています。ここは、中国が国を挙げて取り組む知的財産権保護の取り組みにおける一つのシンボル、縮図といってもいいでしょう。この大きな変化にEU知的財産権委員会のポール・ランジャード氏も注目しています。彼は先日、自ら秀水街を訪れ、40店あまりの店舗に対し、「知的財産権保護の推進店」という称号を送りました。

 「秀水街のこれまでの努力、知的財産権保護に向けての戦略を高く評価しています。専門の基金を設置、積極的に取り組むお店に対するテナント料の減免措置などは非常に効果的だと思います。今後、秀水街が引き続き努力を続けて、ニセモノ撲滅の先陣を切る事例となることを望みます。」

 これらの取り組みによって、秀水街の経営状況は上向きの方向に向かいつつあります。そして市場内の雰囲気も以前よりずっとよくなりました。知的財産権保護の取り組みは、「秀水街」の全てに大きな変化を与えています。そして、この変化から、中国の国家を挙げた知的所有権保護への取り組みの力の強さを感じることができるのです。

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