これは、川のそこに落ちたクスノキなどが、数千年あるいは数万年の歳月を経て、地質の変化によって変化した、いわば「植物の化石」です。途方もない時間をかけて作られるもののため、もはや再生は不可能であり、自然科学的にも、歴史的にも極めて貴重な財産といえるでしょう。そのため、収集家にとっては、この「埋れ木」はとても価値のあるコレクションにもなっています。
木は非常に重くて硬く、重量感があるのが特徴です。加工は難しい木ですが、樹脂が多く、磨くと美しい光沢が出ます。黒色が濃いほど高級材として扱われ、「木のダイヤモンド」とも言われています。亜炭の一種で、木目が残っており、木質は緻密です。日本では、仙台が「埋れ木細工」の名産地とされています。主に、柱や仏壇、座卓などに使われます。
埋れ木はその実用性から、採取されつくし、入手しにくくなっているのが現状です。また大きなサイズのものは非常に希少となっているようです。
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