中国の国づくりにおける目標、合言葉といえるのが「調和の取れた社会」の構築です。これは2020年までの目標です。この言葉は、多くの内容を含んでいますが、そのいくつかを具体的な例で見てみましょう。
2007年の「調和の取れた社会」への計画の一つが雇用問題です。今年、新たに1400万の雇用機会を提供することが目標となっています。です。その内訳は、国営企業を"一時帰休"している人が500万人、新増の労働力900万人です。とりわけ、大きな問題となっている大学新卒の就職や、家族に一人も就職している人がいない家庭の状況改善などを重点とします。また都市部の失業率を4.6%以下に抑えるということも目標の一つです。そのために、労働集約型企業や中小企業の発展、そして、私営企業などの非公有型企業の発展が重要視されています。これにより、"低収入者の収入を増やして、中程度の収入の人々の数を増やす"ことになります。そして、所得税によって、収入の格差を調整する体系を作り上げます。中国は改革開放を通じて、経済が大きく発展しました。この成果はすべての人々が享受すべきです。ですから、「低収入者の収入増加」は、「調和の取れた社会」構築の重要な一環といえるのです。
もう一つは、社会保障システムの整備です。養老保険(日本でいう養老年金)や医療保険のカバー範囲を拡大して、できるだけ多くの人々を保障できるようにして、人々を安心させます。
さらに、教育の機会均等を促すことです。西部の貧しい地域の子供たちも、東部の進んだ地域の子供と同じような教育を受ける機会を提供しなければなりません。
|