改革開放以来、中国は年平均9.6%の経済成長率を保ち、国全体の経済力を示す経済総量は12倍になりました。国家統計局と世界銀行のデータによりますと、中国の2005年度のGDPは2兆2350億ドルに達し、世界経済に占める割合は、2005年は約5%に達し、アメリカ、日本、ドイツに次いで4位となりました。1978年が2%弱でしたから、ここ30年での躍進ぶりは目を見張るものがあるといえます。
広大な国土を持つ中国の自然環境は非常に多様です。中国全土には、3万2000種類の高等植物と10万種類の一般の動物が生息しています。しかし、人口の増加、そして農業、畜産、そして工業が盛んになるにつれ、自然環境は大きく損なわれてきました。特に、森林破壊、土砂流失、砂漠化等は中国の北部・西部を中心に、かなり進んでいます。森林面積は国土面積の14%に減少しているというのが現実です。
ここ数年、中国は経済発展のために、自然環境をある程度、犠牲にしてきました。しかし、今、自然環境や生物の多様性を守ることが重大な課題となってきています。
高度経済成長期の日本と今の中国はよく似ていると言われています。当時の日本も、経済の発展とともに自然環境が壊され、様々な環境問題が出てきました。「経済の発展」と「環境保護」。一見,相矛盾する二つの価値をいかに両立させて実現するか・・・現代中国が抱える大きな課題と言ってもいいでしょう。
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