老いは誰にでもやってくるもの。そして誰もが幸せに老いることを願っています。
日本語の「お年寄り」は中国語では、「老人」と書きます日本語にも「老人」という言葉はありますが、そのニュアンスは大分異なります。敬老、老人を尊敬することは、中国の古くからの伝統であり、「老人」と呼ばれることをだれも嫌がりません。
日本の「敬老の日」と同じく、中国にもお年寄りを敬う祝日があります。旧暦9月9日の「重陽の節句」です。「老人の節句」とも呼ばれています。この場合の「老人」の定義は"60歳"以上の人です。この日は年少の者が、「60歳以上」の祖父母や両親、親戚にプレゼントを贈ります。
この「老人」の定義については、中国と日本で少し異なるような気がします。日本では法律上、「65歳以上」が高齢者とされていますが、ある意識調査で『何歳以上が高齢者と思うか』という問いに対して、「70歳以上」と回答した人が7割に上ったということです。つまり日本ではほとんどの人が70歳を越えるまでは、自らを「老人」とは思っていないということになります。一方、中国では、60歳を過ぎれば自らを「老人」と認識する人が多いようですし、実際、60歳以上が高齢者の定義となっています。日本での高齢者の基準は、意識の上でも中国よりやや上なのかもしれません。
13億の人口を抱える中国は、世界で「老人」が最も多い国でもあります。現在、中国には60歳以上の「老齢人口」が1億4400万で、全人口の11パーセント。そしてアジア全体の「老人」の約半数を占めています。そして2020年までには、さらに1億人増えるとも予測されています。
さて、退職後は、以前、都市部では、職場からもらう退職金、農村部の人々は子供や親族に出してもらうお金に頼って生活するのが普通でした。しかし、今では、社会福祉制度も整いつつあり、また民間の養老保険などもあり、多様化しています。また「高齢者介護」も、これまでは家族が担うことが多かったのですが、最近では、様々な介護施設が建設されており、高齢者介護の"社会化"が進んでいるといえます。
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