
中国では以前、人々は住宅を職場を通して、分配を受けていました。しかし、この住宅分配制度は1999年を境に廃止に向かうようになりました。そこで、私達は日本と同じように、一般の不動産市場を通して、住居を買い求めるようになったのです。人口が集中している北京や上海などの都市部で買い求められる一戸建て住宅はほとんどありません。あるのは郊外にある別荘くらいです。ですから、都心に住みたければ、分譲マンションを買い求めることになります。
住宅の分配制度の廃止と共に変わったのは住宅団地の管理の仕方です。これまで、住居は職場の所有物でしたから、管理はもちろん、職場が担っていました。しかし分譲マンションとなれば、住民は、やはり管理費を払って、専門の会社に団地の管理をしてもらうようになります。
また各団地には、「住民委員会」と呼ばれる住民組織があります。住民委員会のメンバーは、その地域に住む住民が自ら選びます。1990年に制定された「住民委員会組織法」によりますと、住民委員会は5人から9人の組織で、その地域の住民に公共事業を行なったり、揉め事があるときに、それを解決したりするとなっています。
団地の所有形態が変化することによって、人々の住宅に対する要求は高くなっています。できるだけ住み心地の良い団地になってほしいというのは住民共通の願いです。このほど北京では「魅力あるコミュニティ」コンテストが行なわれ、市内10ヶ所の団地が選ばれました。この結果は多くのメディアでも取り上げられ、大きな関心を呼びました。
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