遼寧省は中国東北部に位置しています。「渤海経済圏」と呼ばれる重点地区に含まれている遼寧省は、中国における重要な産業拠点のひとつです。重工業や原料生産など、以前からの伝統的産業が中心的役割を果たしつつ、一定規模の現代的産業が、それらを支える役目を果たしています。鞍山、撫順、本渓、丹東、などの大都市を抱える産業地域として成長を続けており、その中心は瀋陽で、海の玄関となる貿易港は大連です。
産業基盤ともいえる中国重工業および原料産業の中心基地である遼寧省には2万6000社の企業があります。その内の1357社が大規模もしくは中規模企業で、中国全体の10分の1を占めています。こうした企業の現在の総生産能力は、銑鉄1259万トン、鉄鋼1319万トン、原油1502万トン、加工石油製品28万トン、セメント1917万トン、板ガラス1279万ウェイト・ケース、工作機械2万2000台です。冶金、機械類、石油、化学および建設業向け材料は遼寧省の産業を支える柱です。
また、国営企業数は5351社、グループ企業数は2万4736社、海外合弁企業数は1691社あります。これらの企業の総従業員数は591万人に上っています。
しかし、これらの企業や工場で働いている一般の労働者の居住条件は、以前、決して良好とはいえませんでした。彼らは、「簡易住宅」に住んでいたのですが、実際には、とても「住宅」とはいえないような厳しい条件の場所でした。そこで、これら大勢の労働者の住居を提供するため、政府は数多くの簡易住宅を建てました。そして、これらが老朽化した今も、一部の簡易住宅はそのまま使われており、ここには大勢の人たちが住んでいたのです。
しかし、遼寧省の発展のためには、ここで働く彼らの生活条件を改善することが必須となります。そこでまずは、彼らの住宅環境を改善するべく、去年から、遼寧省政府の主導の下、簡易住宅の改造プロジェクトが始まりました。多くの老朽化した住宅は消え、労働者達は、快適な新しいマンションへと引っ越していったのです。これにより彼らも気持ちよく、仕事に専念することができるようになりました。遼寧省の産業は、今後更なる発展を遂げることでしょう。
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