「十一五」そしてさらに長期にわたる経済社会発展の目標(三)
5、 物質文明・精神文明・政治文明間の調整。この三者間の調整とは、物質や富の増長、精神面での豊かさ、公民の政治参加の割合の向上を意味しており、また総合的な国力の増加、科学精神の高揚、優れた文化の伝承と発展、そして清廉潔白な政治をも意味します。
6、 タテ(中央と地方)とヨコ(部門間)の関係の調整。タテ・ヨコの調整は中央の政策の有効性や地方の積極性の発揮に関連しており、よって国力の増長やその合理的な運用に関連しています。タテ・ヨコの調整とは中央の権威の増強、行政効率の向上、そしてそれぞれの積極性の合理的な発揮を意味しています。あるいはまた中央政府の政策の合理性と安定性の向上、および地方に対する政策の指導・調整の効力と拘束力を強化します。
7、 開放と創造力の調整。創造力こそが、ある国家が全世界的な産業の分業体制の中に占める地位と、利益分配における地位を決定します。中国は大国であるから、外国の技術を利用しつつも必ず独自の創造力を備えていなければなりません。そうして全世界的な産業の分業の中でさらに有利な地位を得るのです。開放と創造力の調整とは、対外開放の利点をできるだけ取り入れ、外部の資源と市場を積極的に利用する一方、対外開放のマイナスの影響を極力避け、自主創造力の育成を大いに重視することです。
8、 現在と将来の調整。発展は現代人の要求を満たすのみならず、後世代の要求も満足させるような条件作りが必要です。目先の経済成長だけでなく、未来の経済成長をも視野に入れて基礎を固めねばなりません。現在と将来の調整とは、現代人が適度な成長を求めておけば、経済成長の自然に対する依存度は下がり、将来の発展能力を向上させることができるということです。
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