「十一五」そしてさらに長期にわたる経済社会発展の目標（二）

　２、 都市と農村間での調整。都市と農村の間に発展の不均衡が現れることは、発展途上国の工業化の過程でよくある問題であります。地域間の格差同様、都市と農村間での格差は短期間のうちには解消できません。都市と農村の調整とは、まず都市と農村の一体化を妨げる制度の解消です。次に物質・政治・精神の文化的建設の面において両者の統一を実現することであります。さらには両者の住民が教育・医療・飲料水の供給などの面で享受するサービスの水準格差を徐々に縮小してゆくこと。そして都市と都市経済の発展により農業労働力の移転と農村の現代化を導き、また農村の現代化が都市経済と国民経済全体の発展をバックアップすることです。

　３、 利益の異なる集団間の調和。改革が進み、特に所有制度が多元的に発展したことに伴って、社会はさらに異なる階層や利益集団へと分化が進み、集団間の衝突なかでも労使間の衝突は、社会における新しい最も主要な形式となる可能性があります。利益の異なる集団間の調和とは、社会の各階層がみな発展から利益を享受し、収入格差は容認できる範囲内で、各階層は共同利益の基礎において協力を実現できるというものです。

　４、 人と自然の調和。自然が人類に提供できる資源は再生不可能であり、自然の成長率の制限を受けるものです。ゆえに人類に提供できる生産や生活の資源あるいは快適な生活空間は各歴史的段階で一定です。人と自然の調和とは、人類が求める成長を自然が提供できる各種資源に対応させ、人類の消費活動は最小の環境の代価でもって行うということです。（続き）