中国のインターネット界で、特に若い人たちの間で、有名な映画監督の作品やスターなどを風刺する作品が2006年人気を呼んでいました。
中国語で「悪搞」という呼ばれるパロディ作品は2006年の中国インターネット界で最も注目された現象の一つです。中でも、もっとも知られるのは、世界的にも有名な映画監督、陳カイ歌の映画「無極」を風刺した作品、「饅頭物語」です。この映画のなかにあるちょとしたミスというか、おかしな部分を誇張して、それをつなげて作った映像作品です。
これが発表されたときは、インターネットでアクセス数が最も高い映像作品となりました。
パロディーは権威ある人、主導的地位にある考え方に対する、ある意味の反抗だと思われます。例えば、陳カイ歌さんは、有名な映画監督ですけど、この人に対して、普通の人々がインターネットを通じて、その作品を風刺する。一般の人々の創造力をインターネットというルートを通じて、披露することができるというわけです。パロディー作品は、一般の人々が自らを表現する上での重要な形といえます。
中国ではインターネットをする人の数は1億を越えていて、有名になろうと思っている人々に、うってつけの舞台が提供されます。パロディー作品を作ったのは、自分の作品を発表したいという思いとともに、人に認められたい、有名になりたいという気持ち、そういう意識の強い人が作ったと思われます。
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