中国政府はもちろん、民間でも環境保護への取り組みは非常に活発となっています。
例えば、1980年代の半ばから、各地の大学では、「自然にやさしく」を趣旨とする学生組織が、主に大都市の大学で組織されました。渡り鳥が多く訪れる東北地方の遼寧省瀋陽市にある遼寧師範大学では、1985年に学生が自ら組織した「鳥を愛する会」が発足しました。この協会は鳥の観察や、渡り鳥の通り道の環境を整えるなどの活動を行い、今でも続けています。そして、1991年、北京大学で学生の環境保護組織「環境と発展協会」が設けられました。それから、吉林大学や、南の広州師範学院などの大学では学生自らが組織した環境保護組織が相次いで現れました。
また学生以外にも、山東省の経営者・谷成栄さんが1993年12月に「威海市民間緑の協会」を作りました。この協会は、新聞「中国環境報」が"中国最初の「緑の協会」"と報道しました。そして、北京や上海などでも「自然の友」や「自然の子」というような民間の環境保護組織が次々とスタートしました。このように、特に1990年代を中心として、民間の環境保護組織が一気に増えたのです。

統計によると、中国では今、環境保護の活動をしている非政府組織・NGOは全国で3000近くあり、20万人余りがこうした組織に所属しているということです。NGOの専業のメンバーは7万人ほどいて、残るは兼職やボランティアです。13億もの人口を抱える中国では、この数は、まだまだ割合が低いかもしれませんが、政府だけではなくて、自らの力を使って環境保護に何か役に立とうとする人々が増えているのは事実です。
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