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学校へ通えない女児の職能訓練
   2007-01-12 10:47:07    cri

 中国の一部の貧しい地域では、お金がないため、子供の頃から学校に通えず、十分な教育を受けていない青少年が多くいます。中でも、女児の未就学率が比較的高く、中国では、そのような女性を手助けする活動が多く行われています。その中の一つ、中国とイギリスの協力プロジェクトとして、行われている職能訓練活動をご紹介しましょう。例え、彼女らが学校に通っておらず十分な教育を受けていないとしても、社会的に自立していけるように「手に職をつけさせる」ことを目的としています。

 中国商務省とイギリスのDFID・国際発展局は4年前に、15歳から18歳ぐらいの、学校に通っていない女性を対象に、職能訓練と能力向上のための援助プロジェクトをスタートさせました。中華全国婦女連合会の張世平事務局長の話によりますと、このプロジェクトによって養成を受けた女性は四川省、甘粛省、雲南省などの各省に住む約12000人に上るということです。張世平局長の話です。

 「15歳から18歳までの女の子を対象に日常生活に最低限必要な簡単な国語と算数、それに簡単な家事のやり方、職業能力などを教えています。また同時に、彼女たちに前向きな考え方を持つように仕向け、自らの運命を変えて、家族の生活を改善できると信じるよう指導してきました」

 現在、彼女たちは、都市部に出稼ぎに出たり、家で農業や養殖業をしたり、それぞれのやり方で収入を得ています。この学校で習ったどのようにして良い種子を選ぶか、化学肥料をどのようにやれば効果が上がるかなど、多くの知識を実際に生かしながら、仕事をしているというわけです。

 張恵さんは中国西部の四川省に住んでいます。今年16歳になる張さんも、このプロジェクトで職能養成を受けた一人です。髪の毛を後ろに纏めて、大きな目を輝かせて、私たちの取材に応えてくれました。

 「養成班を修了してから、町の婦女連合会は、ウサギの飼育で有名な陳菊さんという方に連絡して、陳さんからウサギを5匹譲ってもらったんです。養成班で覚えた知識で飼育を始めました。私にも、事業をやる力が十分あると思っています。ずっと父に苦労をかけてきたけど、自分でお金を稼いで、少しでも楽にしてあげたいです。」

 自信ありげに胸を張る張さんを見ていると、かつて貧しく学校に通えず、途方に暮れていた女の子とは思えません。張さんのお母さんは、二年前にガンで亡くなりました。父と妹の三人家族ですが、父親の収入だけでは、とても二人の娘を学校に通わせることができず、張さんはやむなく学校をやめました。

 その後、張さんは去年7月、地元の婦女連合会の呼びかけに応じて、このプロジェクトが主催する職能養成班に通い始めました。40日間の養成期間で、張さんは「ウサギの養殖」を覚え、それを生かして仕事をしようというわけです。

 張さんは熱心に世話をしたため、最初は5匹だったウサギは80匹余りになりました。張さんはそれを売って、かなりのお金を稼ぎ、お父さんを喜ばせました。

 中国とイギリスが協力して行っているこの養成プロジェクトについて、イギリスの専門家、ビタスさんは、これらの女性たちの努力を高く評価しています。養成班で学んでいる女性たちを前にビタスさんは言います。

 「あなたたちの技能は間違いなく上達しています。対人関係を築く上で必要なコミュニケーション能力も高まり、非常に礼儀正しくなったと思います。そして何よりも、皆さんは未来に対して夢を持ち始めました。ここでの養成を終えて、家に帰ったら、ぜひ、その変化をあなたの家族にも見せてあげて、家族たちにも影響を与えてください」

 彼女らの進歩は間違いなく職能養成の成果によるものです。高い効果が挙がったのは、独特の教育方法をとったからです。ここでは、生徒たちに自ら体験することで学んでもらえるよう、授業の場所を教室に限りません。例えば果樹の栽培を教えるのは果樹園で、看護を教えるのは病院で、商売のやり方を教えるのは本物の商店で『実地訓練』を行うというのが、ここのやり方です。

 先ほどの張恵さんです。

 「買い物のやり方についての授業なんていうのもありました。そのときは、実際に先生とスーパーに足を運んで勉強しました。あと、みんなに自らの特技を見せるという演技の授業なんていうのもあります。私は歌を歌いました。小さい頃から、ずっと歌が大好きでしたから。みんなの前で新劇をした人もいます。人前で歌を披露するなんて初めてで緊張したけど、やり終わった後、大きな拍手をもらって、すごくうれしかった・・何だか自信がついたような気がしました。」

 この養成班に通う前、張さんは毎日、家事に追われ、妹の世話ばかりしていて、自らの夢などありませんでした。しかし、いまは違います。ウサギの飼育によって、お金を稼いで、まずは借金を返し、それから家を建てたい・・・それが彼女の夢です。そして「経済的に余裕ができたら、自分も貧しくて学校に通えない女の子を手伝いたい」と考えています。

 この養成班で講師を務める甘粛省の謝偉強さんは、養成班が始まったばかりのころの生徒たちの様子が非常に印象深かったといいます。

 謝さんの話です。

 「初めての授業の日、生徒たちは何だか恐怖におびえているような様子でした。私が名前を聞いただけで、怖くて泣いた子がいました。しかし、その子は今、自分の店を持とうと考えるまでに、人生に対し積極的となりました。この養成班での成果は、彼女らが実用的な技術を手に入れたことももちろんですが、一番重要なのは、考え方の変化、つまり彼女らが自信を持ったということだと思います。」

 知らない人と対面するのが怖くて、泣いて教室の外に走って逃げた女の子は、張芳芳さんです。今年18歳の張芳芳さんは、さきほどの張恵さんと同じく、家が貧しくて、小学校を卒業してから、ずっと学校へ行けませんでした。母親が病気のため、家族の収入は、父が営む農業だけが頼りでした。子供のころから大学に通うことが夢だった張芳芳さんですが、それも諦めるほかありませんでした。こうした生活環境ですから、次第に閉鎖的になって、人とのコミュニケーションはもちろん、人から声をかけられることさえ怖くなったのです。養成班のことは、街に買い物に出たときに知り、自分の将来に何かためになるかもと思って応募したそうです。

 養成班での勉強を終えた張さんは今、南京市の理髪店で働いています。張さんの話です。

 「養成班に通う前は、夢なんかまったくありませんでした。いや、夢を見る勇気さえなかったんです。私みたいな貧しい家の子供に未来なんかあるわけないんだって。でも、養成班に参加してよかったです。将来は、自分で理髪店を開きたいんです。いつまでもこうやって出稼ぎしているわけにはいきません。ぜひ自分の手で未来を切り開こうと思います。」

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