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漢江を守る二人組
   2006-12-14 13:59:17    cri
 中国で最も長い川…といえば、長江です。それでは、その長江のもっとも長い支流は何と言う名前かご存知でしょうか。あまり知られていませんが、漢江という川です。この漢江の川辺に住み、水資源を大事にしよう、環境にやさしくしようと訴える二人の女性をご紹介しましょう。

 一人は運建立さん、もう一人は葉福宜さん。二人ともすでに定年退職されています。住んでいるのは「三国志」で関羽が活躍した古戦場として知られる湖北省襄樊市。長さ1500キロの漢江が町を通って、湖北省の中心地、武漢市から長江に注ぎます。

 二人は、この漢江の環境保護に取り組んでいます。退職金をもらっていて、暮らし向きは豊かです。では、その活動を始めたきっかけはなんでしょう。それは、2000年春バスに乗って、漢江大橋を通った時のことだと、運さんが言います。

 「バスに乗って漢江大橋を通ったときでした。『汚水が川に流れていて、水が臭いね』と乗客の一人が言いました。すると誰かが『この辺の水はまだいい方だよ。支流の滾江なんて、もう臭くてたまらないよ』と言いました。私は、それを聞いてショックを受けたのです。普段はあまり気にしませんでしたけど、汚染の深刻さを改めて感じました。自分の住んでいるこの町を流れる川を何とかしてきれいにしたい、これから先の生涯をこのことに捧げようと心を決めました」

 漢江は、かつてその水がきれいなことで知られていました。しかし、近年、経済の発展にともなって、工場が出した廃水や人々の生活汚水が垂れ流され、水の汚染が進んでいます。

 運さんは2000年3月から、襄樊市にある漢江の5つの支流についてその汚染状況を調べ、汚染がかなり深刻になっていることを知りました。そして、汚染を抑える対策を政府に求めました。そして、2002年には、政府だけでなく、市民一人一人も環境保護に寄与できるはず、と考えて、現在の活動を始めたのです。

 2002年8月、運さんは、葉福宜さんを誘って、湖北省で初の民間の環境保護協会「緑の漢江」を旗揚げしました。

 葉さんは運さんのアシスタントとして、忙しい毎日を送っています。マスコミや、環境保護組織、学校、それにボランティアなど、毎日協会を訪れる人で絶えません。みんな漢江の環境整備に力になりたいという人々ばかりです。

 葉さんの話です。

 「苦労はしますけど、でも満足しています。ただ、毎朝の近所の運動仲間はなかなか理解してくれませんね。『お金が稼げるわけでもないし、毎日、何のために忙しくしているの?』と言うんです。確かに、お金は儲かりませんけど、私は満足しています。楽しいですからね。運動するのは、私だけのためですが、環境保護は多くの人々のためになります。みんなから喜ばれますから。」

 二人の女性があちこちから資金を募集したり、関係部門に支援を頼んだりして、今では、協会は個人会員が100人以上、団体会員が40あまりとなりました。

 運さんは、市民の環境保護の意識を強めることが当面の急務だとみていて、環境保護の宣伝活動を協会の主な活動としてきました。これまでおよそ7万人の市民が、協会の訴えに耳を傾けてきました。

 二人は、子供の頃から環境保護の意識を植え付けることが大切だと考えています。そこで、学校を環境保護宣伝のメインに据えてきました。これまで300校あまりの小中学校、幼稚園でキャンペーンを行なってきました。

 そして具体的に、行動を起こす子ども達が現れたそうです。机のそばにゴミ袋をかけて、ゴミを散らさなくなったとか、ある児童が家に帰って水の尊さを両親とともに話し合ったとか・・・。

 小学生の翟亭亭ちゃんの話です。

 「運おばさんから環境保護の話を聞いた後、誰かがゴミを散らすのを見ると、それをゴミ箱に捨てなきゃだめですよって、私は怒りました。周りの環境を守ってこそ、新鮮な空気が吸えるって、そんな風に教えてくれましたから。」

 協会の活動の一つとして、漢江やその支流の唐白河の沿岸を徒歩で踏破するイベントが行なわれました。これは地元で大きな反響を呼び、数百人が参加を申し込みました。人々は、川に汚水が流れてくる元を調べて、汚水のサンプルを取り、それらを展示して、環境保護をアピールするということもしました。これは、市民の環境保護意識の向上だけでなく、地元襄樊市の政府からも注目されました。調査の結果、分かった水汚染のひどい製紙工場、数社が政府から、汚水の浄化処理を命じられました。

 しばらくして、二人の女性が作ったこの環境保護協会は、活動の範囲を襄樊市以外の漢江流域にも広げました。

 漢江の畔に堰河村があります。中国では、都市部でもゴミの分別が進んでいないにも関わらず、この村では早くもゴミの分別が行なわれていて、また、村には専門のゴミ処理センターが設けられました。これは、運さん達の運動の結果だそうです。村に何度も足を運んで、環境保護の知識を村人に伝えました。村の人々も喜んで耳を傾けたそうです。

 運さんは村での活動について、こう言います。

 「村に来た時、みんなが小さな腰掛を持って集まってきました。私は、地球儀を持って話をしました。『皆さん、この地球儀を見てください。大きく言えば、私たちはみんなこの地球村に住んでいます。この地球村の環境を大事にしましょう』。こう前置きしてから、70分近く、話し続けました。そろそろ終わろうとしたところ、突然、一人の村人が立ち上がって『だめだ』と言って、私をびっくりさせました。『本当に良い話なんだから、これぐらいで不十分です。もっと聞かして下さい』と言ってくれました」

 もっと多くの人々に環境保護の知識を持ってもらうため、協会はまたインターネットサイトを設けました。いまでは、6000人のボランティアが協会に関わっています。今や、協会の活動は、世界銀行や関連の国際組織からも支援を受けるようになりました。運さんと葉さんの活動は、ますます忙しくなるばかりです。

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