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ほら貝ちゃんの家
   2006-12-22 10:56:30    cri

 中国で、パソコンを持つ家庭が増えています。特にインターネットは生活にも徐々に浸透しつつあるのですが、同時に子供たちがオンラインゲームに夢中になって、まともに勉強しないなど、親たちを悩ませる問題も生まれています。この問題にどう対応するか、東部沿海地域の杭州市に住む海洋さんが良い方法を考え出しました。それは、娘と一緒に家族のインターネットサイトを設けるというものです。

 海洋さんには、12歳になる娘、海螺ちゃんがいます。娘さんの名前は中国語でほら貝と言う意味ですから、「ほら貝ちゃん」とみんなから呼ばれています。ほら貝ちゃんはほっそりとしていて、背が高く、長い髪を後ろにまとめて、話しかけると大きな目をキラキラ輝かせる可愛い女の子です。

 ほら貝ちゃんは忙しい毎日を送っています。というのは、学校から帰ると、家族のインターネットサイトを毎日更新しなければならないからです。サイトの名前は「楽しい家族・ほら貝ちゃんの家」。ほら貝ちゃんがこのサイトの担当者です。ほら貝ちゃんは、いつもの仕事をこう紹介してくれました。

 「ネットで日記を書いたり、書き込みをしてくれた人に返事をしたり、それから、新しい内容を入れたりします。パパもときどき手伝ってくれます」

 お父さんとお母さんはほら貝ちゃんの強力なアシスタントです。このインターネットサイトを作ったきっかけは何でしょう。父、海洋さんの話です。

 「ある休みの日のことでした。妻と一緒に町へ買い物にでかけようとしたんですが、娘は行かないって言うんです。留守番をして、宿題をするか、インターネットをするか、どれもいいんですが、インターネットをする時間は必ず30分以内にするよう彼女と約束しました。でも、帰ってみたら、ずっとインターネットをしていて、宿題を全くしていませんでした。叱ったことは叱ったんですが、子供は、自らをコントロールする力がまだ弱いですから、これは仕方がないことかもしれない。他の方法を考えなければと思ったんです。」

 子供がインターネットにのめり込まないようにするため、インターネットの時間を決めるとか、パスワードを設定するとか、親たちはいろいろと工夫していますが、海洋さんは、やみくもに制限するより「正しい使い方」を教える方がいいと思いました。そこで、家族のインターネットサイトを作ることにしたのです。

 「始めた当初、彼女はあまり熱心ではなかったんです。興味を持つようにするためには、なんとか肩書きを挙げないとなと思っていました。そこで、妻と相談して、彼女をサイト長にすることにしたのです。サイト長というのはどんなものなのか知らないかもしれないけど、この肩書きが気に入ったようで、うれしくやり始めたんです」、ほら貝ちゃんの夢は国連の事務総長です。将来は出世したい・・・というのが彼女の目標です。だから、お父さんはまず、インターネットサイトのサイト長に任命することにしたというわけです。

 このサイト長はとても適切な人選で、家族のサイトはほら貝ちゃんの力で、次第に整ってきました。お父さんも、ほら貝ちゃんがこれほどできるとはと、びっくりしたそうです。

 しかし、最初の熱意は次第に冷めて、ほら貝ちゃんのサイトに対する興味も次第に薄れていました。お父さんは、何とかしようと、アクセス数を表示する機能と掲示板を新たに加えました。こうしておけば、毎日どれぐらいの人がサイトにアクセスしたかが分かりますし、サイトを見た人の書き込みもあるので、その返事を書かなければなりません。すると、ほら貝ちゃんは、多くの人々とコミュニケーションができますから、興味がぐんぐんと湧いてきたのです。

 お母さんの羅玲さんは、よく掲示板を利用して、娘さんに激励の言葉を送っています。羅さんの話です。

 「私はたまに、知らない人を装って、彼女にメッセージを送ります。母親という立場で言えば、聞いてくれないことも、知らない人を装えば、耳を傾けてくれることがあるんですよ。」

 ほら貝ちゃんはいま、掲示板に書き込んでくれた人への返事を毎日、書いています。家族のサイトがスタートしてから、ほら貝ちゃんは自信が強めましたし、作文のレベルも向上したそうです。お父さんの海洋さんも予想以上の効果が上げられたことで喜んでいます。作文が得意になったほら貝ちゃんは今年、15の作品を発表していて、地元の「子供作家の会」に入会しています。

 父、海洋さんは学校の先生をしています。それもあって海洋さんは、自分の経験をもっと多くの人々に知ってもらい、より多くの子供に正しいインターネットの使い方を教えたいと思いました。

 そこで、海洋さんは、娘の学校で、生徒の家族が作るインターネットサイトをまとめる組織を作ろうと提案しました。学校側はこれに応じて、海洋さんの家の経験を生徒たちに紹介しました。いま家族のサイトを設ける生徒が増えています。これについて海洋さんはこのように話します。

 「この組織の中では、異なったインターネットサイトの間でも交流があります。インターネットでゲームをするだけではなく、家族サイトを通じて、友達の輪を広げたり、幅広い知識を得たり・・・インターネットの有意義な使い方を教えることが出来ると思います。」

 家族サイトの創設によって、親たちの交流の場も増えました。ネットを通じて、子供の教育に関する経験や失敗談を交換したりしているそうです。今後も、インターネットサイトをずっと続けていきたい・・ほら貝ちゃんはそう考えています。

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