お酒の席では楽しいゲームが付き物。中国でもゲームをして、負けた人が罰としてイッキ飲みするという遊びがありました。これを「酒令」といい、昔から宴会の余興の一つとされています。
酒令は西周(紀元前1100年ごろから紀元前771年)の時代から始まり、隋と唐の時代に今の形に近いやり方になりました。実は、酒令の中にもいろいろな種類があります。謎解きやサイコロを使って遊ぶもの、くじ引き、じゃんけんに似た劃拳などで、そのうち、この劃拳が最もよく行なわれていました。
劃拳は「猜拳」とも言い、二人でやります。一斉に指をいくつか出しながら、自分が考えておいた1から10までの数字をひとつ言い、自分の言った数字が二人の指の合計と合ったほうが勝ちというルールです。たとえば、Aさんが指を3本出し、6と言うと同時に、Bさんが指を2本出し、5と言った場合、二人の指の総数は5なので、Bさんの勝ち。Aさんが負けとなります。負けた人は一気飲みしければなりませんが、もし二人が同じ数字を言った場合は引き分けとなります。
実は、その数字の言い方も決まっています。たとえば、2は「哥倆好」と言い、仲のいい兄弟という意味で、6は「六六六」と言い、順調にいく、うまくいくという意味です。また8は「八匹馬」と言い、八匹の馬と言う意味になります。数字の言い方はみんな3文字で、手の動きにあわせて言います。
劃拳はもともと庶民的なゲームで、決まった手の動きがとても激しく、また、数字を叫ぶ声がとてもうるさいので、「教養のない遊び」というようなイメージがあります。ですから、次第に敬遠されるようになり、今ではお酒の席で劃拳をする人が少なってきました。(編集:コオリ・ミン)
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