北京では、いろいろな少数民族料理が味わえます。北京海澱区の魏公村にある『宝琴(ホウキン)』というタイ族料理のお店は、お勧めしたい一軒です。
店の正面には、「餐館小客人多等一等不用急/菜好吃価不貴?一?没関係」と書いた対聯が張ってあります。ちょっと訳してみますと、「店は狭いしお客さんは多いし、でも焦らずに待ってくださいね/料理は美味しいし値段も安いですから、ちょっと込んでいても構わないでしょう」という内容になっています。この対聯によっては、店の様子などが大まかに分かります。とても親しみやすい雰囲気のお店です。
店に入ると、周りの壁には、タイ族の文字で何かが書いてありますが、聞いてみると、「商売が繁盛に!お客さんが後を絶たないお店になりますように」といった願いを込めた内容になっている文章が書かれているそうです。また、その文字は全部ここのオーナーの直筆だということです。早速、オーナーの馬さんに店のことについてうかがってみました。
馬さんによると、タイ族料理では、煮る・煮込むというのが基本的な調理法なので、とてもあっさりした味となっているそうです。和え物も多いから、現代の人々の口に合います。
ここのイチオシ料理は「草コン(手偏に困)魚」という魚料理です。草で魚をからめるしばるという意味です。作りかたとしては、まず、魚のわたを全部出して、その中に香茅草というタイ族特有の草を詰め込みます。それから、同じ香茅草で魚をしっかりとからめてしばってから、油で黄金色になるまで揚げます。揚げた魚にだし汁をかければ出来上がりです。こうすると、草の独特な香りが魚にしみこみ、とっても香ばしくなります。ちなみに、この「草捆魚」は「コイを使うので、あまり贅沢じゃない材料でありながら、ここでしか味わえない独特な味になっていて、とても感心しました。
また、タイ族の人たちは甘くて酸っぱい味が好きなので、酸っぱい漬物や、お酢やレモン酸を使った料理も多いようです。「?水節(水掛祭り)」になると必ず作る料理があります。それは?水節??(水掛ババ)といって、もち米の粉を芭蕉の葉っぱで包んでセイロで蒸して作るものです。できあがりのババは柔らかくて歯ごたえもよく、芭蕉のさわやかな香りも味わえます。これは、漢族のチマキみたいなものですが、水掛祭りにちなんだ料理だとは思いませんでした。
ちょうど、外国人の方がいたので、感想を伺いました。ドイツ人のお客さん・ルイスさんは「初めてここで食べた。料理の種類も多いし味もあっさりしていて、とても気に入っている。これからは、ここの常連になりたい」と幸せそうな表情で話してくれました。
「宝琴」タイ族料理というお店では、一人あたりの平均消費は安くて、20元から30元前後です。営業時間は午前11時から午後2時まで。昼休み3時間が入って、再開は午後5時、夜の9時までやります夜は夕方5時から夜9時までとなっています。北京にいらっしゃったら、ぜひ、このタイ族料理を楽しんでみてください。
(編集:コオリ・ミン)
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