
パンダは中国で「国宝」と称され、昔から人々に大切にされてきました。子供の頃から大好きな動物の一つで、誰もが一度は動物園にパンダを見に行った経験があります。1990年、北京で開かれたスポーツのアジア大会のマスコットはパンダでしたし、2008年北京オリンピックのマスコットの中にもパンダが含まれています。北京土産の代表的なものはパンダのぬいぐるみですし、パンダの商標を使った商品やお店も至る所に見られます。また、パンダは中国の最も有名な外交官でもあり、これまで多くの国に「友好の使節」として赴き、世界各国の人々に愛されています。
野生のパンダは、主に中国西部の四川省と甘粛省に生息しています。この二つの省を跨いだ山「岷山」に野生パンダの群れが生息しているそうです。現在、野生パンダの数は1600匹ほどと言われています。しかし、森林伐採による生息地の減少などにより、野生パンダの生息数は減少傾向にありました。これを食い止めるため、自然保護区や研究施設が設けられ、パンダの人工飼育や、ケガをした野生パンダの治療など、パンダ保護が行なわれています。岷山には、27ヶ所の自然保護区が設けられています。
そのうちの一つ、四川省にある臥竜自然保護区は全国でも名を知られています。省都、成都から車で4時間ほどのところにあり、総面積は20万ヘクタール。森林が生い茂る自然豊かな保護区で、一番高いところで海抜6200メートルほどです。
この保護区の中にある「パンダ研究センター」は世界でトップレベルのパンダ研究施設です。ここでは保護されたパンダが飼育され、敷地内に放し飼いにして、野生に戻る日を待っています。一般参観が可能な部分もあり、多くの人が愛らしいパンダを見に訪れます。またこのセンターから世界各地の動物園に数多くのパンダが送られており、日本では神戸の王子動物園にいるジャイアントパンダ、コウコウとタンタンもこのセンターの生まれです。
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