中国の小中学校では少なくとも年に2回の試験があります。中国も日本と同じ、9年制義務教育ですから、その間に少なくとも18回、試験を受けることになります。実は中国では、これまで、これらの試験の点数と氏名、そして順位が公表されることが多かったのです。でも、それを嫌がる子ども達が多く、またそれによって、彼らを傷つける恐れがあるとして、今はそれを行なわない学校も出てきました。また地方によっては、宿題の量などを減らして、負担を少なくする、日本の「ゆとり教育」に似た施策がとられているところもあります。
中国では今、学校教育の役割について論争が続いています。教育は試験のためのものなのか、それとも児童・生徒の資質を向上させるためのものなのか。考え方は様々ですが、ただ現実として、大学を目指す人たちが必ず受けなければならない試験があります。「全国大学共通試験」です。日本でいう「共通一次試験」や「センター試験」のようなものです。この試験はある意味では、将来の人生を決める重要な試験といえます。そして、この時にものを言うのはやはり「点数」です。
芸術系の大学、例えば、美術や音楽、映画の製作などの大学では、実技試験などを「全国共通試験」とともに課すところもあるようですが、それは一部の人たちが受けるものです。
この「共通試験」を終えると、今度は、志望大学を選び、願書を書きます。「共通試験」の点数に基づいて、大学と学部を選ぶのですが、このとき選択を誤ると、例え点数が高くても、思い通りの大学に入れないことがあります。ですから、受験生達は、慎重に大学を選び、そして気を抜かずに願書を書くというわけです。
願書は国家の教育を司る教育部に提出します。そして試験の点数等を勘案して、審査が行われ、その後、合格通知が受験生に届くというわけです。共通試験が行われるのは6月下旬ごろ。合格通知は7月から8月上旬ごろに届き、9月の新学期には、晴れて大学生となります。
|