中国自動車工業協会の調べによると、今年1月ー8月の自動車生産台数は463万台(前年同期比25.37%増)、2006年度の自動車生産は697万台に達する見込みで、これは世界第3位となります。
特に都市部では市民の経済レベルの向上にともない、多くの人たちが自家用車を手に入れ、もはやクルマは『憧れの消費財』ではなくなってきています。
初めての国産の乗用車「紅旗」が登場したのは1959年、中国の建国記念日、国慶節に行なわれたパレードでした。30台の「紅旗」が天安門広場を堂々と行く姿を見て、多くの市民達が祖国の科学技術の進歩を誇りに感じたのでした。
この30台の「紅旗」の製造は周恩来総理など、当時の指導者から絶大な支援を受けていました。製造を担当したのは「第一自動車グループ」です。当然、乗用車製造のノウハウなどほとんどなく、中古のアメリカ産の車を見本として製造しました。
この「紅旗」のドアには五つの旗が掲げられていました。これは労働者、農民、兵士、学生、商人を表すものでした。この五つの旗はその後、毛沢東思想を表す一つの旗となりました。細かいところに歴史を反映しているのです。
1980年代後半から、中国の自動車業界はにわかに活況をおびてきます。合弁企業の出現です。ヨーロッパのフォルクスワーゲンや、シトロエン、アメリカのGM、そして、日本の日産、トヨタ、マツダ、韓国のヒュンダイなどがそれぞれ、中国大陸に進出し、中国メーカーとの合弁企業を作り上げました。その後、中国の自動車産業はますます盛んとなり、大陸で生産される自動車の質は、高い評価を受けるようになってきました。
さて、中国自動車産業を支えた人たちの中には、こういった合弁企業に母国から派遣された多くの外国人がいます。彼らは、まだ未開拓だった中国の自動車市場に夢を持ってやってきて、たゆまぬ努力を重ね、今のこの活発な自動車市場の礎を築いたのです。
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