万里の長城は、東は山海関から、西は嘉峪関まで5000キロの長さがあります。この「5000キロ」という距離は、ちょうど一万里に当たります。ですから、「万里の長城」と呼ばれるわけです。
万里の長城が建設されたのは、今から2000年ほど前の秦の時代。北部の敵の侵入を防ぐため、長い城壁を築いたのが始まりです。その後、増築が加えられ、今、残っている遺跡のほとんどは明の時代のものです。
さて、月日が経つにつれて、城壁の破損がかなり進んでいます。万里の長城の学問的研究を行う中国長城学会の調査によりますと、城壁が完全に残っているのは、全体の20%足らず。また明確に遺跡が残っている部分は30%に過ぎません。明の時代に築かれた長城は6300キロでしたが、今残っているのはわずか2500キロだということです。
この万里の長城の法律面で保護しようと、先月20日、温家宝首相が主催した中国政府の常務会議で、「長城保護法」が制定されました。これは、長城の研究や保護に長年携わる人たちだけでなく、万里の長城を誇りする全ての中国人にとって喜ばしいことです。
以前の人々は、長城を保護する意識が薄かったそうです。開発工事のために城壁を破損したり、、レンガを勝手に盗んで販売するなどの行為が頻繁に起きました。しかし、政府が保護法を制定したことで、万里の長城に対する意識がかなり変わりました。そして積極的にその保護に取り組もうという人たちも増えてきたのです。
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