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8分間デート
   2006-11-02 14:53:57    cri
 中国、特に都市部では、人々の生活リズムがますます早まっています。そして、そこに住む人々の空間は狭まり、そして仕事もどんどん忙しくなって、ゆとりが少なくなってきているような気がします。毎日、仕事で忙しく、生活のほとんどは仕事・・・恋愛することだって、贅沢なことになった・・などといわれる世の中となりました。

 そんな世相を反映して、海外から新しいお見合いの形が導入されました。「8分間デート」と呼ばれるものです。今、話題となっているお見合いの方法です。

 夏の日の夕方。北京のあちこちのオフィスビルから、中国の「シリコン・バレー」と呼ばれる中関村にある一室に人々が集います。ここで、この日、「8分間デート」が予定されているのです。

 司会を務めるのは張静さん。「北京歓楽園お見合いクラブ」の責任者です。会場には、いくつかの小さなテーブルがあって、そこには椅子が二つ。男女二人が向かい合っています。最初はぎこちない二人ですが、少しずつ、会話が弾んできます。ただし、彼らに与えられた時間は"8分間"。時間がくれば、女性は座ったままで、男性が次のテーブルに回ります。そして、女性はやってきた「新しい」男性とまた8分間おしゃべりをするわけです。これが「8分間デート」たる所以です。こうして、部屋にいるすべての「お相手」とおしゃべりして、パーティは終了となります。

 「8分間デート」は、短時間により多くの異性と知り合うことができる「効率の高さ」が特徴です。張さんはこのように言います。

 「縁を求めて、クラブに入会する会員数はどんどん増えています。ただ、自らの満足する相手に出会えるかどうかは縁です。"良くない人"というのはなく、出会いには"不適切な縁"というものがあります。私達のクラブの狙いは、より多くの人たちと出会うことによって、"良い縁"を見つけてもらう手助けをすることです。」

 歓楽園クラブは2003年にスタート。現在の会員数は3万人あまりで、ほとんどが北京市内で働くサラリーマンやOLです。ほぼ毎日、活動していて、連日40人ほどの会員が、"良縁"を求めてやってきます。

 会場は、リラックスできる雰囲気を作るため、明かりを少し暗めにし、緩やかな音楽が流されています。またほのかにコーヒーの香りが漂っています。30平米ほどの部屋の中に、8つの小テーブルが置いてあって、その上には、お洒落な電気スタンドが置かれています。そして、大きな本棚が中央に置かれており、部屋を二つに分けています。本棚にはインテリアやファッション系の雑誌が整然と並んでいます。

 この「8分間デート」で知り合ったばかりの張暁さんと李幹さんに話を聞きました。

 張さんの話です。「今日出会った李さんは、素敵な人ですね。すごく素朴なところが気に入りました。仕事場のこととか、それぞれの業界について、あと、なぜここに来たのか、などについて、おしゃべりました。一人でいると、すごくさびしいから、恋愛したい・・それがここに来た理由です。」

 一方の李さんはこう語りました。「この会の活動で、本当に気の合う人が見つかるかどうかは、はっきりいって分かりません。でも、少なくとも知り合いの輪をいくらか広げることが出来ます。本当の結婚相手が見つかるかどうかはともかくとして、とにかく女性と知り合うチャンスの一つとして考えています。」

 女性の張さんと異なり、李さんは、ややドライで理性的な考え方で、この会に参加しています。ただ、そんな李さんですが、この会に参加した以上、「手ぶらで帰りたくない」なんて言っています。でも、この積極性が大事。会が提供するのは、あくまでも異性と知り合うチャンスであり、それを育てていくのは、会員自身というわけです。

 さて、このクラブのおかげで、めでたくゴールインしたカップルはもちろん多いです。責任者の張さんの話です。「つい先日、会に参加した人・・彼の職業は弁護士でした。ちょうど北京に来て3ヶ月の女の子がいて、二人は初めて会う時から気が合っていました。そのあと、すぐに恋愛に発展して、もう年末には結婚する予定だそうです」

 新しいお見合いの形として現れた「8分間デート」について、中国社会科学院家庭婚姻研究室の王震宇教授はこう分析します。

 「"高効率"が求められる社会に特有のものといえるでしょう。仕事が忙しい人々に向いたやり方です。彼らは、高い収入を得ている半面、仕事で知り合える人々の範囲が狭く、しかも、交際する暇もないという悩みを抱えています。このような活動を通じて、選択する範囲を広げようというわけです。時間もお金もそれほどかからず、非常に気軽に簡単に出会いが得られますから。」

 「8分間デート」に加えて、インターネットを介した「お見合いネット」も都市部の人たちを中心に人気を呼んでいます。また北京では、時間がない子どもに代わって、親がお相手を見つける、という現象も見られます。本人の代わりに、親が"釣書"を持って、公園に集まり、情報収集を行ないながら、適したお相手の「親」を探します。双方の親の間で話がまとまれば、今度は本人同士が対面するというわけです。

 「異性と知り合う」という行為は、これまでのような地域単位、職場単位といった狭い範囲におけるものではなくなってきています。より多様化、そして広域化しているといえるでしょう。ただ、「速く知り合う」ことはできても、「速く恋ができる」とは限りませんし、いわんや「速く幸せになれる」わけではありません。恋愛はやはりこれまでと同様、時間をかけて、少しずつ育てていくもの…そして、その中から幸せが生み出される、それは今も昔も変わらないでしょう。

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