中国は、沿岸の東部地区が比較的、経済発展が順調であるのに対し、チベット自治区をはじめとする西部地区の経済援助というのが一つのテーマになっています。
ある政府の高官が話していたんですが、チベットの印象について、「地元の政府部門の人たちが皆ジープに乗っていた」ということを挙げていました。なぜなら、この地域は道路があまり整備されておらず、どんな路面でも走行可能な高性能ジープが必要です。そして、比較的、経済的に進んだ沿海の省や、各政府部門からの援助もなくてはならないものだったそうです。
チベット自治区は全土の中でも、経済がやや立ち遅れた地区の一つで、それを援助するため、政府の省庁や各地の省・直轄市が、援助を行う専門の部門を設けて、具体的な援助を行っています。
その方法はさまざまで、資金を提供するほか、人材を派遣する、また逆に、チベットの人々を招いて人材養成を行うなどがあります。
1980年代から、中国は30あまりの省で、チベット援助に向けた具体的な取り組みをしているということです。2003年から、中国共産主義青年団と中国教育省が共同で大学生の西部援助ボランティア活動を始めました。これは、大学、大学院生が卒業後、チベット自治区など西部で1年~2年、ボランティアとして派遣し、町づくりを援助するというものです。場合によって、そのまま現地に残ることも勧めています。
チベット自治区は美しい自然もありますし、民族文化も独特で、多くの旅行者の憧れでもあります。ボランティアとして、チベット自治区に赴くというのも魅力的なようですが、ただ、いいことばかりではありません。特に怖いのが高山病です。平均海抜4000メートルほどで、酸素濃度が普通の3分の1しかありません。そんな過酷な条件の下でも、毎年、多くの志願者達がチベット自治区に向かっているといるんです。
|