質問:中国で、映画の年齢指定制度がありますか。
答え:まだありませんが、中国政府は、いま、映画に年齢指定制度を導入することを準備しています。
著名な映画脚本家で全国政治協商会議委員の王興東氏は6月21日、インタビューに答え、映画の年齢指定制度(鑑賞基準として年齢制限などを設けるもの)が中国にも導入される方向が決まったと明らかにしました。年齢指定制度は、今年3月の全国政治協商会議で同氏が提案し、国家映画主管部門も賛同。国家広播電影電視総局(広電総局)から同氏に対し「中国の国情に合った映画年齢指定制度を迅速に制定する」との連絡があったというです。
年齢指定制度がないため、映画でおびえる青少年も
2000年、天津の16歳の少女、李潔さんはホラー映画「人蛇大戦」を観た後、悪夢にさいなまれて高熱を出し、病院に送られました。北京では、外国映画を見た小学生が恐怖のあまり、その場でおもらし。学年でアメリカ映画「ボーン・コレクター」を見に行った13歳の女子中学生は、鑑賞後に食欲をなくし、安眠できず、夜中突然目を覚まして「人殺し!」と叫んでしまったという。この女子中学生によると、映画館でも驚いて泣き続けるクラスメートや、嘔吐の止まらない人までいたというです。
ある教授は、こんな体験談を話してくれた。「中国映画の『チョウユウの汽車』(周漁的火車)を見に行ったら、年齢指定制度がないので映画の内容が前もってわからず、多くの親が子供連れで見に来ていました。私の前の席の父親は、ラブシーンになるたび、子供に目をつぶらせていました。12、3歳のその男の子は時々『パパ、目あけていい?』と聞く。結局、5、6回はその質問をしていましたよ」
アメリカ映画「プライベート・ライアン」が上映されると、関係管理部門には「残酷なシーンに、子供がひどく驚いてしまった」という母親からの投書が寄せられました。アメリカでこれがR指定だとわかり、中国でも年齢指定制度があり、相応の年齢指定がされていたのなら、母親が子連れで見に行くこともなかったでしょう。
映画の年齢指定制度が施行されていないため、このような騒ぎには枚挙にいとまがない。年齢指定の表示がないと、保護者も子供も、子供の鑑賞に適した映画かどうかわからないのです。 (続き)
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