わたくし、藍暁芹は中国の東沿岸部、上海の南に位置する浙江省の出身で、中国55の少数民族のうちの一つ、『シェー族』です。
シェー族は主に中国南方の福建省と浙江省に住んでいて、全国におよそ70万人。使っている文字は漢字ですが、民族特有の言葉、シェー語を話し、独特の文化と風俗習慣を持っています。
中国政府は少数民族のことをとても重視しています。中華人民共和国憲法には、国家統一と全国各民族の団結を維持する中国国民の義務が明示されています。さらに、民族区域自治制度と少数民族への優遇策をとっています。
優遇政策というと、具体的には、よく知られているのが、二人の子供を生むことができる、などがあります。中国では一人っ子政策が実施されていますが、少数民族に関してはそれが許されているわけです。私の場合は夫が漢民族なので、やはり一人しか産めません。少数民族同士の夫婦に限られた例外なんです。ただ、生まれた子供は、私の民族であるシェー族、夫の漢民族、どちらを選んでもいい「民族選択の自由」があります。
私の故郷は浙江省の麗水市です。麗水の総人口は250万人、そのうち、8万4千人ぐらいが少数民族で、その9割がシェー族です。そのほかに、ホイ族や満族、ミャオ族、トン族など34の少数民族があります。少数民族は歴史的な原因で、経済や教育など各方面の発展が遅れています。ですから、民族の発展には、政府の働きが欠かせないものとなっているんです。
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