中国にも、もちろん「表彰」という制度はあります。そのうちの一つ、「5・1労働表彰メダル」を紹介しましょう。『5･1』とは5月1日、つまりメーデーのことです。これは一般の労働者に対し、中国政府が贈るものです。「一般労働者」がその対象となっている点で、中国ならではといえるかもしれません。そして中国の労働者にとって、誰もが浴したい栄誉の一つなのです。

 　中国の全国的な労働組合組織・中華全国総工会と、日本の内閣に当たる国務院は毎年一回、全国で優れた労働者を選んで表彰し、「5・1労働表彰メダル」と「全国労働模範」の称号を与えます。

その対象は、以前は国有企業や事業体の従業員のみでしたが、現在は農家の人々や私営企業の従業員も入りました。

　「5・1労働表彰メダル」は、毎年のメーデーの直前に受賞者が発表されます。今年は先月26日に発表されました。今年の受賞者は1018人。そのうち18人が農村部から都市部に出稼ぎに来ている労働者で、その人数は前の年より17人増えました。農村部からの労働者が、今の中国の経済発展において、それだけ重要な役割を果たしているということです。

　職業別にみると、これまでの受賞者は企業の管理層が多かったのですが、今回は、最前線で働く労働者、技術開発者、研究者の数が増え、合わせて半分以上になりました。

　私たち北京放送の職員も受賞の対象には入っていますが、入賞したとは聞いたことがありません。私たちにとっても「5・1労働表彰メダル」は、遠くから眺めるだけの憧れの存在です。