孫宝印さんが、中国中央テレビ局(CCTV)の特派員として日本へ赴任したのは1999年。そのときから中国の視聴者たちは、多くの日本情報を得ることができるようになりました。それはいずれも、孫さんの努力と切っても切り離せないものです。駐在した数年間は、北海道から沖縄まで、できるだけ多くの地方を訪ね歩きました。「中日両国の社会には、とても大きな違いがあります。真実の日本を伝えるためには、少しずつ日本を深く理解しなければ…」と孫さんは言いました。
政治ニュースや突発的な事件は、もちろん孫さんと同僚たちの関心の的です。しかし、それと同時に、普通の人なら気がつきにくい社会の片隅にも目を向けています。
東京都目黒区では毎週木曜、専業主婦らが外国人に日本語を教えています。そのボランティア団体の名前は「にほんごの会くれよん」。外国人の慣れない日本での生活を、少しでも彩り豊かにしたいと願ってつけられたといいます。この報道は、中国の視聴者たちに、現代日本の専業主婦が家庭を飛び出し、社会に貢献している様子を伝えました。「平凡な中にも出色のものを発見すること。それは、記者が一番養わなければならない能力です」と彼さんはいいます。
2005年2月、日本駐在6年の任期を終えて、現在はCCTVの国際チャンネルでニュース番組のキャスターを務めています。記者としての経験の中で培ってきた素朴で真面目な姿勢を、番組に取り入れたいと願っています。また、放送室でニュースを伝えるだけでなく、重大事件が発生しチャンスがあれば、すかさず現場にかけつけて取材をします。
「ただニュースの現場だけが、どんな心理状態であるのか、どんな言葉が適切で、客観的に情報を伝えることができるのか、それを教えてくれるのです」。記者魂は健在です。(写真=馮進 文=王浩)「人民中国」から
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