実演、パトロール、トレーニングと、彼女は毎日、馬といっしょです。「馬は私のパートナー。毎朝、馬小屋に行くと、まだ門をくぐっていないのに、馬が私の足音を聞いて遠くから鳴き出すんですよ」とニコニコしながら話してくれました。

　あるとき、馬瑩瑩さんの両親が、彼女を訪ねてやってきました。喜びいさんで両親を馬小屋につれていった馬瑩瑩さんは、自分の馬を指差して「見て！　これが私の弟よ」と言ったのです。彼女の父親は、笑いながら答えたという。「へえ、いつ私にこんな子どもができたんだい？」。帰宅するたびに、彼女はたくさんのニンジンを抱えて騎警隊に戻ってきます。この良きパートナーに、ニンジンを与えてねぎらうのです。

　昨年のある週末のこと。馬瑩瑩さんの馬が突然、病気にかかました。彼女は急いで自宅から騎警隊へと戻り、朝八時からずっと馬のそばに付き添いました。馬の苦痛を紛らすために、翌日の深夜二時まで、馬を引いて行ったり来たりして歩いたのです。しかし、そんな介抱のかいもなく馬は病死。彼女は、何日も心を痛めていたという。今でもこの話になると、つらさを隠しきれないようすです。

　「馬とつきあって四年になりますが、大切なのは、人と同じように馬たちと接することです。それを、ここで会得しました」。そう彼女は、前向きに話してくれました。