那思瑪さんはモーコ族の女性で、今年33歳です。10年前、那思瑪さんはお兄さんの孟克さんと妹さん、南思卓瑪さんと一緒に北京へ来て就職しました。生まれ故郷のモーコ草原を離れて都会での生活を10年間も続けたものの、那思瑪さん一家は依然として遊牧民族の伝統を大切にしています。
モーコ族の男性にとって、モーコ刀(かたな)はとても大切な飾り物です。しかし、春節に人の家を訪れた場合、刀を体から外さなきゃいけないよ。そうしないと、たいへん失礼なことになりますから。
遊牧民族のモーコ族にとって、お酒は温暖と希望をもたらす縁起のいいものとされています。しかし、お正月に酔ってはいけないとのことです。漢族と違って、モーコ族の家庭では春節の乾杯は一気に飲み干すのではなく、礼儀正しく一口ずつ飲むのがマナーです。
また、春節の時、モーコ族の若い人たちはゲームをやります。最も代表的な春節ゲームは「指輪隠し」です。参加者は二つのチームに分けて、指輪をひそかにあるメンバーの掌に隠して、相手のチームに当ててもらいます。両チームは歌を歌って自分の意見や憶測を伝えます。
ご存知のように、モーコ族は遊牧民族で、一年中モーコ草原のあっちこっちで遊牧し、親友と集まるチャンスはめったにないんです。ナーダムや春節の時だけ、一緒に集まって思う存分に遊べます。春節はわれわれにとって、娯楽かリラックスのひと時と言えるでしょう
経済生活の向上につれて、今、都会に住んでいる人々はほとんど電話やショートメールで新年の挨拶を伝えています。それは生活の便利さと言える一方、家族や親友が揃って新年を祝う春節の雰囲気がなんとなく薄くなったような気がします。しかし、那思瑪さんの家では、とっても暖かい新春の雰囲気を満喫しました。
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