モーコ族は年長者を尊敬しています。春節の時、家族で一番年長な方は皆からの祝福を受けます。今年の春節、那思瑪さんは両親を内モーコ自治区から北京へ迎えてきました。
春節の際、モーコ族の人々はハーダを持って新年の祝福を交換します。男性は空を代表する青いハーダ、女性は雪を代表する白いハーダを使います。「モーコ族の男性は空のような広い度胸、女性は雪のような純潔さを持っている」という意味です。
また、モーコ族にとって、食物は天の神様、大地、祖先からの賜物です。春節のおせち料理を食べる時、最初の一口は天、地、祖先に捧げます。
家の一番目立つところには「ジンギスカン」の絵が飾られています。モーコ族にとって、ジンギスカンは民族英雄だけではなく、自民族の誇らしい祖先でもあり、自由と勇敢の代表です。
食事の後、モーコ族の男性は自慢なノドを披露し、『モーコ長調』という民謡を歌います。決まった歌詞はないものの、抑揚のある歌声は遠くへ遠くまで響いています。
実は那思瑪さんとは前から知り合っていますが、普段は本当に普通の都会人とは何の変わりも見えない女性ですが、その家族と一緒に春節を祝って、都会生活に左右されず、モーコ族の伝統を大切にする素朴な生き方に感動されました。皆で家族の年長者に祝福したり、料理を食べる前まず祖先を祭ったりすることや、若者たちは簡単なゲームを興味津々に楽しんでいることなど。モーコ族って、本当に素朴な人間性か民族性を持っていますね。
生活レベルの向上につれ、今、バレンタインデーやクリスマスなど欧米系の祝日は中国の都会生活者、特に若者にますます重要視されてきた一方、春節をはじめとする中国の伝統的祝日の雰囲気はだんだんと薄くなったように感じられます。外来文化を吸収して楽しむ前、自民族の文化や伝統を如何に大切にしていくか、と考える必要がありますね。自分が地味で当たり前のように思っている伝統文化は外国人かほかの民族から見れば、魅力満点のところかもしれません。
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