中国は食文化が非常に発達し、地域によって、それぞれ違います。例えば、中国中部にある河南省の麺類は独特で、河南省の人々は普通の小麦粉で色々な種類の面を作ります。省外の人は河南省に来て、湯気の立ち上る面を食べないと、本場の河南料理を食べたことになりません。

　河南省人の生活の中で、麺類は絶対になくてはならないものの一つです。今回、まず麺類の中のカイ面を取り上げましょうか。といいますか、河南省の麺類の中でこれが一番有名です。カイ面は漢字で火偏に会議の会と書きます。その作り方は簡単に言えば、沸騰したお湯に、麺類を入れてから、肉や野菜などを加わり、じっくり煮込めば出来上がります。だしは羊か鳥から取ったものを使います。カイ面は普通の家でも、簡単に作れる料理で、今年50歳を超え、定年退職した劉勝利さんは一週間に必ず四、五回ぐらいカイ面を食べます。自分の大好物のカイ面といったら、劉さんは、「自分と妻はカイ面が作れる。今、生活のレベルが上がったが、どんな料理を食べても、やっぱり麺類が美味しいと思う。カイ面が大好きだけど、普段は時間がなかなか取れなくて、休みの日に、家族を連れて家の近くの有名なカイ面の店に食べに行く」と話してくれました。

　劉さん一家は羊肉をメインの具とする羊肉カイ面が好きで、白い面の上に厚くスライスしたトロトロの羊肉があり、湯気の立ち上る御汁に、薄くて紅いラーユが漂い、また、緑の香菜が載っていて、これを見るだけでも美味しさが伝わってきます。箸で中身を混ぜると、面の具にはまた春雨、湯葉、昆布、くこし、木耳などが入っています。このような麺類は見た目がきれいで、味が美味しくて、それに栄養分がたっぷりです。

　河南省の人々は、ほとんどが劉さん一家のように、カイ面が大好きです。地元の人は遠くからやってきた親戚や友達を持てなす際、主食は、必ずカイ面を作ります。また、河南省外の人はここにやってきて、ほとんどが本場のカイ面を食べたがります。河南省にはカイ面の専門店も数多くあります。人々は生活のリズムが速くなるにつれて、一部の人は家でカイ面を作る時間がなくて、いつもカイ面の店で食べます。カイ面の店に行って、先ずつまみをいくつか頼んで、そしてカイ面を注文してゆっくり食べます。それは普通の人々にとって最高のひとときです。