今年の9月24日、「中国スポーツ特別貢献賞」が北京で発表されました。この賞は半世紀に亘る中国のスポーツ事業をまとめ、新中国のスポーツ事業に寄与したスポーツ選手を称えるものです。中国側の北壁からチョモランマに登頂した第一人者の女性として、チベット族の女性登山者潘多さんはこの大賞に輝きました。
潘多さんは1939年にチベット自治区の昌都得格に生まれました。名前の「潘多」はチベット語で、「役立つ人」の意味です。これは親が潘多さんが一生追求していくようにとの願いを込め名づけたものです。
1958年、19歳の潘多さんは農場で働いていました。ある日、国家登山隊は登山隊員の選考にやって来た時、元気で丈夫な体を自慢している潘多さんはあまりにも深く考えずにすぐ申し込みました。
19歳の女の子にとって、登山訓練はかなり厳しいものでした。両親を亡くした潘多さんは一人っ子で、登山隊の仲間たちから家族以上の暖かい愛情を貰いました。その期待に答えるため、潘多さんは厳しい訓練を恐れず、積極的に共通語を学び、精一杯に頑張っていました。
「登山は根性の必要なスポーツです。孤独を楽しめる人だからこそ、素直に自然と高い山に直面できるでしょう。私にとって、登山はただのスポーツや仕事ではなく、人生の楽しみでもあります。もちろんその時代では、女性が登山するのは婦女解放の意味でもありましたね」
数多くの高い山を征服した後、潘多さんは次の目標をチョモランマに定めました。しかし、その時、彼女はもう36歳で、3児の母親になっていました。
「登山には数え切れないリスクがあります。チョモランマに行く前、末っ子の娘は泣きながら私の手を握って、『お母さん、行かないで』って何回も何回も頼みました。正直に言うと、その時、私の心が痛くてたまらなかったのです。」
それにもかかわらず、自分の愛する事業のため、潘多さんは登山隊に戻りました。当時、日本のある登山隊はネパール側の南壁からチョモランマにチャレンジするニュースが伝わってきて、「中国人は外国人に遅れられるもんか」と潘多さんは決心して、南壁より何倍も険しい北壁からチョモランマに登ることを決めました。
|