2003年に、中国初の宇宙飛行士となった楊利偉飛行士が宇宙空間に達したときは、狭い帰還船(帰還モジュール)の中でずっと活動し、宇宙服を脱ぐことができなかった。食事もインスタント食品ばかりで、排泄もオムツを使わなければならなかった。
この点、今回の「神舟6号」は大きく変化した。宇宙飛行士の活動範囲は拡大し、宇宙での生活はずっと豊かなものになった。
「神舟6号」も「神舟5号」と同様に、軌道船(軌道モジュール)、帰還船、推進部の3つから構成されているが、「神舟6号」では、宇宙飛行士が初めて、帰還船から軌道船に乗り移り、重たい宇宙服を軽い作業服に着替えて科学実験を行った。
また、宇宙飛行士の生活の質も向上した。今回、彼らは、八宝飯(もち米で作った甘い食品)やイカ団子、干しリンゴなど50種類以上の食品を持って行った。これらの食品は、加熱したり、水で戻したりして食べることができる。
排泄物を処理する宇宙トイレは、中国の科学者が独自に研究開発したものだ。多少は違和感があるだろうが、「神舟5号」で楊利偉飛行士が使ったオムツに比べれば、大いに進歩している。
しかし、改善されたとはいえ、宇宙飛行士の生活はそれほど自由ではない。宇宙船操作技術訓練部門の主管設計士の胡銀燕さんによると、宇宙空間での飛行士の動作は、1つ1つすべて厳格な操作規則によって決められていて、なおざりにすることは許されない。
だから、すべての動きは規則で定められ、自分で勝手に、動作を選ぶことはできない。例えば、簡単に見える船内の扉の清掃でも、決まった作業手順の規定がある。これによると、船と船の間の扉を3回に分けて拭き掃除をするので、1回の掃除は3分の1だけだ。扉の枠の清掃も同様だ。使われる用具は、特製の雑巾で、実際に掃除をする際には、雑巾のどの面を使うか、どう折りたたむか、どのように交換するかなど、みな、規定がある。
ーー「人民中国」より 高原
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