ラフ族は主として、雲南に暮らしている民族で、総人口41万人。「ラフ」とは「虎を狩する」の意味。雲南省思茅市の瀾滄県に暮らすラフ族はキリスト教を信仰し、ギターを民族楽器のように弾き、歌はアルトのきれいな混声合唱が印象に残ります。
思茅市のプーアル茶祭りに、100人からなるラフ族村落の合唱団がお祝いにやってきました。団員たちに村の概況と、どこでギターを覚えたについて尋ねてみました。
「私たちはプロテスタントです。日曜日は野良仕事には出かけず、村の教会に集まってミサをするので、その時、自然と皆で集まってギターを弾きながら、歌を歌うのです。」
「村には400人の村民がいます。ギター弾ける人は50~60人います。先生なんてないのです。皆ギターを手に独学してマスターするのです。今回は合唱団に参加するため、一ヶ月ほど前に急ごしらえで覚えた人もいます。」
「歌が大好き。ギターが大好きです。だって、こんなに楽しいことだから。」
セレモニーが終わり、退場しながらも、皆さんはギターを弾き、歩きながら歌い続けています。号令をかけるリーダーみたいな人はいなく、誰かが声を大きくして歌いだすと、すぐに、皆がひとりでに加わってきました。
地元ではギターは一本150元ほどで入手できます。皆さんの選んだギターは、その色の鮮やかなこと。空のようなブルーであったり、もしくはオレンジのような黄色であったりしています。偶然だったのかでしょうか、彼らの民族衣装に使われた青や黄色と同じ色で、とても映えます。ちなみに、皆さんの服は2、3日かけて、それぞれ自分で作るのだそうです。
さて、歌が大好きな皆さんは、普段の生活はどうなっていますのでしょうか。
26歳の団員ポン・ナールさんの話です。
「両親、だんなとその兄弟、3歳の子と7人家族で暮らしています。家には稲、麦、お茶、サトウキビを作っています。」
ポン・ナールさんはとにかく皆が歌が大好きで、畑仕事をしながら歌うし、茶摘しながら歌うし、村の生活では、歌がかけてはならないと言います。
ところで、村落で一番にぎやかな祝日は何かと聞いたら、これにも意外な答えが返ってきました。「クリスマスです。山から木を切ってきて、ツリーにします。このほか、近くの村へ遊びに行ったり、もち米でお餅を作って食べたりしてお祝いします。」
|