今日は西南部の雲南省の国境地帯に住む少数民族ダイ族の食べ物ナンミパにまつわる昔話です。
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ダイ族の人口は約12万。主に雲南省のシーサンパンナダイ族自治州と徳宏ダイ族ジンポー族自治州に集まり住み、。また臨興の耿馬、孟定、思茅の孟連、玉溪の新平などの30県にも分布しています。
ダイ族の農業が発達し、サトウキビ、コーヒー、サイザルアサ、バナナ、ゴムなどの熱帯経済作物の栽培に従事しているのです。
では、はじめましょう。ダイ族の食べ物ナンミパにまつわる昔話「ナンミパの伝説」
むかし、むかし、ある部族の統領屋敷の大番頭が、どうしたことか、祭りが来るので、統領に喜んでもらうためにとあることを考え出した。それは、この部族の料理専門部落に住むすべての世帯に美味しい料理を作らせ、祭り当日に統領屋敷に運ばせ、統領をはじめ祭りに参加したお偉方に味見してもらうと通知した。
こちら通知を受けた料理専門世帯はおおわらわ。その日に出す美味しい料理を作るため、前日から鳥やアヒルをつぶしたり、魚や肉を買ったりし、それぞれの腕を振るおうと、下ごしらえから、蒸す、炒める、炙る、煮るのそれはいぞがしく料理つくりをはじめていた。
人々は肉や魚、そして野菜を材料に勤しんでいたが、実はこの部落には身寄りのない夫婦二人だけの爺さん婆さんが居て、隣近所が忙しく動き回っているのを見てため息をついていた。
「ばあさんや。困ったのう。みなの衆には、肉や魚、そして野菜など色々あるというのに、うちには胡瓜や大根すらないものな」
「そうだね。あんた。うちの小さな野菜畑には、しなびた青菜しかなく、スープを作る新鮮な野菜すらないよ。どうするかね」
「そうよなあ。そのときにはうまい料理を出さなきゃ、罰としてひどいお仕置きをうけるからなあ」
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