ウルムチ市SOS子供村は中国政府と国際SOS子供村組織の協力により、中国大陸に設置した八番目のSOS児童福祉施設です。ここは、2001年5月29日から、親のいない子どもたちを正式に受け入れ、援助を始めました。中国の北西部では、ここは唯一のSOS子供村でもあります。
子供村は、この地区の両親を失い、親戚や知人たちも養う余裕のない14歳以下の健常者の孤児を引き取り育てる施設です。現在、この施設には、14世帯と1つの幼稚園あり、新疆、陝西、寧夏、青海、甘粛の5つの省と自治区の8民族の孤児100人以上がここで暮らしています。子供村には、スタッフのほか、すべての家庭に「お母さん」と呼ばれる「保母」が1人います。スタッフはここで仕事を始める前、厳しい試験を受けることが必要です。また、「保母」になる人は、中国SOS子供村協会主催で研修を受け、試験に合格しなけれならず、しかも、子供村の主催した各種講座と技能の研修会を定期的に受講することも求められているのです。
ウルムチSOS子供村に入ると、花園の中に入ったと錯覚を起こすほどです。ここでは、緑の芝生に赤レンガの家が映え、色とりどりの花園の中の華やいだ雰囲気を醸し出しています。これらの緑と花々に囲まれ、一戸建ての家が軒を連ねていました。
聞こえてきた美しい歌声に吸い込まれるように、記者は家の中にお邪魔しました。ここはウィグル族の家です。朗らかで、楽観的なアミーナ保母さんと活発で、かわいい8人の子供がここで暮らしています。これらの子供の中には、1組の双子が含まれています。子供村では、同じ家庭の子供なら、必ずひとつの家で暮らせるよう工夫しています。アミーナ保母にとっては、8人の子どもはどの子も優れていて、それぞれ個性が異なっていますが、みな自分の誇りです。
「我が家には3人の女の子と5人の男の子がいます。男の子はカシュガル、女の子はホータンから来ています。今、4人は漢族の学校、もう4人がウィグル族の学校に通っています。子供たちの学校での成績はまあまあです。彼らは勉強が好きで、成長するのに連れて、気の利く子になってきています。勉強では、彼らは助け合っています。週末になると、私たちは市民芸術館や少年宮に行って、民族楽器のレワープや、タンバリンの稽古をしたり、二胡や、バイオリンを習ってたりしています。」
2000年7月、23歳のアミーナさんは大学を卒業しました。新聞で子供村が「保母」を募集する求人広告を目にし、厳しい選抜試験をくぐり抜け、子供村の「保母」になりました。子供村がまだ建設準備段階から、アミーナさんはすでに入村したため、年は若いですが今では村の長老格になっています。
|