「楼蘭の美女」でその存在を世に知らせた新疆の楼蘭遺跡は、「さまよえる湖」と呼ばれている湖・ロプノールの西湖畔にあります。
70年前、スウェーデンの考古学者・ベーグマンさんはロプノール地区で発掘した時、1000体以上の棺おけがある大規模な古墳群??小河墓地を発見し、世界を驚かせました。その後、長い時間が経過しましたが、え小河地区は辺鄙な砂漠の地にあり、時局の不安もあったため、この古墳群は謎のまま、人々の記憶にとどまっていました。二年前、中国の考古学者がここで発掘を行い、それにより、古墳群は神秘的なベールが剥がされました。
ロプノールの小河墓地は新疆東南部孔雀川下流のロプノール砂漠にあります。ノールは蒙古語で湖の意味です。その東から175キロ離れたところに、楼蘭遺跡があります。小河墓地を発掘する考古学チームの専門家・李文瑛さんは、その由来について次のように紹介しました。
「小河は孔雀川から南へ流れ出した支流で、名も無い古代の河道(かどう)です。1934年、考古学者で探検家のベーグマンは、地元の猟師・オルデクに案内され、小河の流れにそって、この墓地にたどり着きました。孔雀川と比べれば、ここの川幅は狭く、その長さも短かったため、ベーグマンは、見たままに「小河」、つまり、小さな川と命名しました。これが小河墓地の由来です。」
1930年代、猟師のオルデクが初めて小河基地を発見しました。オルデクはロプノール探検史上の第一発見者で、楼蘭古城も彼により見付けられたのです。1934年、ベーグマンはオルデクの案内で、小河墓地に到着し、発掘作業を始めました。その中で、彼らは保存状態の大変良い女性のミイラを見つけました。このミイラについて、ベーグマンは次のように描写しています。
「尊い衣装、中央から左右に分けた黒き長い髪。赤いリボンのついた、先の尖ったフェルトの帽子。両目を軽く閉じ、恰も眠りについたばかりのように見る。綺麗な鷲鼻、やや開いた薄い唇からのぞく歯、永遠の微笑をただよわせている。」
ベーグマンはこのミイラを「微笑の姫君(ひめぎみ)」と称え、世界で保存状態の最もよいミイラと認定しました。
その後の技術的鑑定では、「微笑の姫君」はインド・ヨーロッパー系人種で、今から4000年前の青銅器時代の女性とされています。ゲーグマンの発見は世界を驚かせました。
2002年、中国の探検チームはロプノールで再び小河墓地を発見しました。翌年、中国国家文物局の決定により、新疆文物考古学研究所は再び小河墓地及びその周辺の遺跡に対し考古学調査と小範囲の発掘作業を行いました。
|