今回の発掘調査に参加した考古学者の李文瑛さんの紹介です。
「遠くから見れば、この墓地は木柱の森に見え、その根の部分が赤く塗られています。この墓地は豊かなロプノール早期文明の情報が含まれていると思われています。」
風のない静かな朝、考古学チームが船の形をした棺を開けました。中には、若い女性が眠っていました。先のとがったフェレットの帽子、軽く閉じた両目、長いまつげ。チャーミングな女性です。彼女の顔には、生前の微笑みが今にも伝えれられています。これは欧州の白人の特徴を持つ美女です。70年前、ベーグマンの「神秘的微笑の姫君」を彷彿させます。
棺が一つ一つ開けられるにつれて、情報も次から次へと検証されました。考古学者は、この古墳群は孔雀川下流に住んでいた古代住民が崇拝していた神の山で、ここには彼らの敬虔な崇拝の念と村落の繁盛を祈る美しい願いが託されていたとされています。
今、小河墓地の発掘作業はほぼ終了しました。しかし、未だに解明されていない不思議な情報もたくさんあります。
これについて、李文瑛さんの紹介です。
「棺を作る遺跡はどこにも見つかりませんでした。それから、彼らの家屋、居住地の遺跡も見つかっていません。最も、家屋は強風の中で影も形も見えなくなるほど吹き飛ばされた可能性もあります。古代人は死を重く受け止めていることは、この墓地の規模、それから丹念に葬儀を行っていたことからも分かりました。」
2004年度、小河考古は中国のその年の十大考古発見の一つとされ、その発掘は新疆、ひいてはすべての中東アジア地域の有史以前の考古の内容を豊かにしました。イディリス・アブドゥレスレ所長は、これからまだ大きな課題が残されていると語っています。
「墓地の発掘は一段落つきましたが、数多くの課題はこれからの整理、研究し究明が期待されています。例えば、人類学、農業、牧畜業、とりわけ植物学、動物学の研究なども同時進行して行う必要があります。小河墓地からは一部の銅片も出土しましたが、これは冶金工学の専門家の参加が必要です。」
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